1.抹茶スイーツは260年続く老舗茶屋の挑戦から始まった
ほのかな苦味に柔らかな甘味。飲み物だけではなくスイーツの材料として定番として親しまれているのが抹茶です。
今でこそあって当然のこの抹茶スイーツを最初に始めたのが、「京はやしや」。金沢で宝暦3年(1753年)に初代林屋新兵衛が開いた茶店で260年以上続く老舗です。
そして今から約50年前に、抹茶をもっと身近に楽しめるようにと「京はやしや」が作り出したのが抹茶ミルクや抹茶パフェです。
2.抹茶のほろ苦さと甘みが絶妙な元祖・抹茶パフェ
抹茶パフェ(茶佃煮付)1,155円(税込)
パフェの醍醐味はなんといってもそのハーモニー。
バニラの甘味に後からくる抹茶の苦味。ふんわりした抹茶の生クリームは微かな苦味に合わせたほどよい甘み。プルプルの食感と甘さ控えめな抹茶ゼリーの下のミルクパンナコッタと合わせるとちょうどよいバランスです。また、黄桃の柔らかな酸味が後味をさっぱりとまとめます。
飽きのこない甘さ。これこそが抹茶スイーツの魅力!
抹茶は飲むもの、だった時代に初めて食べたらその新しい美味しさに驚きますよね。
3.作り置きはしない。作りたての抹茶のわらび餅
抹茶わらび餅あんみつ(茶佃煮付)1,100円(税込)
抹茶味のわらび餅が入ったあんみつも人気の一品。このわらび餅は毎日、手作りしているもの。そのため、開店直後には出来たての柔らかなわらび餅が楽しめます。
つるんとした滑らかな食感の後から抹茶の苦味がじんわりと伝わり、黒蜜と抹茶アイスと小豆の甘さと好相性。つくづくと、日本人って違うものを合わせるのがうまいなあと感じます。
お持ち帰りにもできる評判のわらび餅ですが、秘伝の味を守るために閉店近くなり、固くなってしまった場合にはあえて出さないのだとか。
抹茶わらび餅 972円(税込)
※抹茶わらび餅は横浜店、大宮店のみの販売となります。また、1日数量限定の取り扱いとなるため、無くなり次第、販売終了となります。
「お茶も抹茶、玉露がそれぞれ美味しく飲める温度やお湯の量も何度も試行錯誤を繰り返して決めています」
そう話してくれたのは、「京はやしや 横浜そごう店」店長の上廣さん。
茶の歴史や味を学ぶうちにその奥の深さに魅了されていったそう。今では様々な茶の楽しみ方も取り入れています。
抹茶やあんみつに付いているお茶の佃煮もその1つ。玉露を醤油とみりんなどで煮た佃煮は香りもよくほどよい塩味がちょうどよく口直しにも箸休めにもぴったりでした。
「京はやしや」は現在全国に9店舗あり、香港にも進出しています。同じ味を守りつつも店舗独自のメニューもあります。横浜そごう店では、カフェメニュー以外に野菜をたっぷり使った1人用の鍋もあり、ランチタイムも賑わっています。
4.先代から受け継がれる想いを時代と共に
抹茶 990円(税込)
以前よりは気軽な気がしても、抹茶をいただけるお店は以外とないもの。「京はやしや」はその始まりが茶店だったこともあり、お茶を楽しめるカフェを展開しています。
そのため、メニューにはコーラもコーヒーもありません。丁寧にたてられた抹茶を両手で包みながら頂く時間はなんだかほっこりした気分。
落ち着いた和モダンな店内。カウンター席もあるので1人でも気兼ねなく寛げる。
この時代に合わせた柔軟な発想は、「お茶は飲むだけではなく茶葉そのものを食す」という先代の教えが受け継がれているから。
お茶には栄養があるのにお茶として使われているのはその一部。そのために、3代目が茶の茎の部分を使った棒茶を開発し、5代目が抹茶をもっと食して欲しいとの想いから抹茶スイーツがうまれたのだといいます。
百年餅(ももとせもち) 1個324円(税込)
名前も縁起のよい百年餅(ももとせもち)。わらび餅とは違うふわっとした柔らかさとくるみの香ばしさが後を引きます。
変わらない想いに時代に合わせていく力。それこそが260年続いている魅力かもしれません。
ぜひ大人のカフェタイムを味わいに足を運んでみて下さいね。
京はやしやの抹茶スイーツはこちらからご購入いただけます。
【京はやしや】 ふぃなんしぇ 6個セット
【京はやしや】抹茶チーズケーキ
取材・文:都野雅子