こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。
今回紹介するのは、1942年に創業したお店、玉澤総本店(たまざわそうほんてん)の「生ゆべし」です。玉澤総本店は仙台にあるお店。「生ゆべし」は仙台の新名菓として、「新しいゆべしのスタイルを築きたい」という想いが込められています。
そもそもゆべしは東北地方を中心に食べられているくるみの入った餅菓子のこと。伊達政宗公が戦の際の食料として携行したことから、東北の名菓として普及したとされています。
そんなゆべしが斬新に楽しめるのが今回のお菓子、「生ゆべし」です。生ゆべしは特別な製法を使って作られています。今回注文したセットには一般的なゆべしが2種類と生ゆべし3種類が入っていて、いろんなゆべしの食べ比べができるセットになっています!
まずは定番のゆべしから紹介します。ゆべしの種類は「くるみゆべし」と「蜜入りゆべし」の2種類があります。くるみゆべしは醤油味のお餅の中にくるみが入っていて食感が楽しいゆべし。“むぎゅっ”とした食感が癖になります!
蜜入りゆべしは今回のゆべしの中でひとつだけタイプが違って、表面がツルッとしていて、中には黒蜜が入っています。ちょこんとのせてあるくるみもかわいいですよね。くるみゆべしの“むぎゅっ”に対しこちらは“むちっ”とした食感。中の黒蜜はとっても濃厚でしっかりと甘いのが特徴。ちなみに私は今回の中で一番お気に入りでした!
そしてここから生ゆべし。まずは、色鮮やかな緑色が綺麗な「ずんだ」。山形県産の最高級「だだちゃ豆」を新鮮なうち にパウダーにして使っているんだそう。想像を超えるずんだの濃厚な風味にびっくりです!
続いて「仙台味噌」は袋を開けた途端、味噌のいい香りが漂います。宮城県加美町の味噌「釜神」を使い、味を損なうことなく、しっかりと味噌を感じられ、仙台ならではの味わいを楽しめます。
最後は黄色のゆべし、「柚子」です。国産の香り高いゆずが使われているので、すごく濃厚なゆず香を堪能できます。爽やかなゆずのおかげで、お餅なのにさっぱりといただけます。見た目も味もこの季節にぴったり。
冷やしすぎると硬くなってしまいますが、食べる直前に少しだけ冷やすとより食べやすくなっておすすめです。
※編集部の諸事情により、本記事の掲載タイミングは、予定より遅延してしまいました。読者の皆様にお詫び申し上げます。
- <今日のおやつ>
玉澤総本店「生ゆべし」
文:せせなおこ