串団子が古くから親しまれ、地元で愛される和菓子店『三秀堂』。平塚で約70年ものあいだ愛され続けています。
そんな『三秀堂』の和菓子に新たに加わったのがくずバー。発売当初は3種類からスタートしたのが、今では10種類になった人気商品です。このくずバーを作ったのが、3代目の加藤賢太さん。
今回はメディアにも取り上げられるほど評判になっているくずバーと、挑戦し続ける若き3代目のお話をご紹介します。
1.この食感はクセになる!アイスのようでもっちり「くずバー」
左からブルーベリー、マンゴー、スイカ、白桃、パイナップル 各220円(税込)
くずバーとは、くず餅の材料であるくず粉を使ったお菓子で、アイスのように凍らせたもの。 2016年に発売されたくずバーはみかん、抹茶、白桃の3本からのスタートでした。
左からいちご、湘南ブルー、宇治抹茶、和梨、みかん 各220円(税込)※宇治抹茶は240円(税込)
「1番人気は宇治抹茶です。凍ったままでも、少し溶けても、お好みの状態でお召し上がり下さい。」
ひっきりなしに訪れるお客さんにそう説明していたのは、3代目の奥様である恵美里さん。
「お好みの状態」で食べられるというのが、このくずバー最大の特徴です。凍った状態ではシャリシャリとアイスに似た食感ですが、アイスと違うのはすぐに口の中で溶けないこと。そのため噛むとしっかりと歯ごたえのある感触がわかります。
宇治抹茶は昨年リニューアルしたもので、食べてみると抹茶の濃い味に小豆の甘さが好相性です。また、アイスと違うのは1本で満足できるところ。
このくずバーは1本200kcal未満。一般的なシャーベットよりは少し高めでもアイスクリームよりずっと低カロリー。また、いわゆる「食べた」感があるので結果的にヘルシーなおやつとしてオススメです。
溶けてくるとこんな感じに…。ひんやりみずみずしいくず菓子に味変!
半解凍のプルッとしたくずバーも違うおいしさがあり、1本で2度おいしいのもお得感があります。
今年からは楽しいこんなしかけも!
「当たり」が出ると1本くずバーがもらえます。どれがもらえるかはランダムでお店で決めるので選べませんが、それも楽しみの1つ。「通販でも当たりが出たらもらえますが、こちらは次回の注文時に追加で入れます」とのこと。
くずバーは発売からわずか4年で30,000個を販売。種類も増え、昨年発売した宇治抹茶、湘南ブルー(サイダー味)、和梨を合わせて10種類に。
今後は限定フレーバーも考案していくそうですので、新作が楽しみですね。
2.看板商品の「串団子」は飽きのこない安心のおいしさ
左から、つぶあん、みたらし、きなこ、ごま、いそべ 各100円(税込)※きなこは120円(税込)です。
『三秀堂』で長年人気のあるのがこの団子です。和菓子はあまり食べないという人でも口にしたことがある馴染みの菓子。この串で食べるというのが「日本のファストフード」のような感覚なのかもしれません。
団子はどれももっちりと柔らかく弾力があり、何もなくてもおいしい団子なんだな、というのがよくわかります。
全体を通して、甘さが控えめなので食べやすいのが魅力。いろいろな味をちょこちょこ楽しめるのも、このお団子のいいところですね。
3.和菓子が若い人に選ばれるように。3代目の挑戦はこれからも
『三秀堂』の創業は1951年。戦後しばらくしてからのことでした。創業時はうるち米を引くところからつくるお煎餅屋さん。それからすぐに看板商品の串団子が発売されました。
加藤さんが、3代目として三秀堂に入ったのが約4年前。以前はサラリーマンとして働いていたそう。
しかし、そこから「自分がやったことに対して反響も責任も全て自分に返ってくるほうがいい」との想いから店を継ぐことを決意。
2代目である父から教わりながら名物の味を守りつつも、和菓子をもっと若い人に食べてもらいたいとして、くずバーを発売しました。
まずは和菓子を知ってもらうこと、そんなきっかけとしてのくずバーはメディアに取り上げられるほど評判に。今では市内のスーパーにこのくずバーを卸しています。
加藤さんがこだわるのはこの地元に対する熱い気持ち。生まれ育った平塚の活性化を願っています。そのため、くずバーはふるさと納税の商品にもなっています。
また、スーパーからの依頼で、ほうじ茶の羊羹を今年から発売することに。
冷やして食べると、ほうじ茶の香ばしい風味が。スッキリした甘さがあります。冷茶との相性も良さそうでお土産にもいいですね。
これからの夏。口の中から涼を得られる”ひんやり”和菓子は必見ですよ。
取材・文:都野雅子
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