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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第52回 銀の森 美栗舎 栗あかり」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

突然ですが、みなさん。十三夜をご存知でしょうか? 9月の十五夜、中秋の名月は有名ですが、実は10月にもお月見があるんです。十三夜は十五夜に次いで美しい月とされ、江戸時代は十五夜とセットで見ることが普通でした。

また、片方のみのお月見は「片見月」と言われ、縁起が悪いものとされていました。十五夜の時期はお芋の旬であることから、収穫祭の意味も込めて「芋名月」、十三夜の時期は「栗名月」や「豆名月」という別名でも呼ばれています。

今回選んだのは、前回と同じ、岐阜県・恵那にある銀の森・美栗舎(みくりや)の「栗あかり」。とても綺麗な名前ですよね。厳選した大納言小豆を炊き上げ、芯に栗きんとんを巻いて蒸しあげられており、十三夜にぴったりのお菓子です。

箱を開けると、まるで夜のような漆黒の羊羹が入っています。

早速切ってみましょう!

小豆の芳醇な香りがたまりません! そして、断面からは綺麗なお月様のような栗きんとんが登場しました!! 好みの厚みに切っていただきます。

夜空に浮かぶまんまるい月。切るのが恐れ多いです。

小豆はほくほくでとても濃厚です。そして、小豆に負けず栗きんとんもとっても濃厚。ねっとりとした食感です。どちらも喧嘩することなく、一緒に口に入れても、それぞれの味をしっかりと味わうことができます。ぜいたくすぎる秋の味覚をしっかり堪能しました! あんこ好きのあなたも、栗好きのあなたも。絶対に食べてほしい一品です。

今年の十三夜は10月27日、金曜日。忙しい毎日を少しだけ忘れて、夜空を見上げてみてくださいね。

文:せせなおこ