No Area

お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第63回 亀屋則克の花見団子と桜餅」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

さぁ、待ちに待った春がやってきました! ぽかぽかと暖かい陽気に心が弾みます。そしてなんといっても、春の楽しみといえば、お花見ではないでしょうか。
そんなわけで今回はちょっと変わったお花見団子と桜餅を紹介します。紹介するのは京都にある亀屋則克(かめやのりかつ)。大正5(1916)年に創業したお店で、創業当時からの製法が受け継がれています。

そんな伝統的なお店で見つけたのが一風変わった花見団子。花見団子といえばピンク、白、みどりの3色のものを想像しがちですが、亀屋則克のお花見団子は緑、茶色、白と大人びた色合い。さらに3つのお団子は全て素材が異なり、一つずつ食べるたびに違った味わいを楽しめるお団子です。

まずは一番上のよもぎ団子。ふわっふわのお餅にこしあんがはいっています。真ん中はこしあんのあんこ玉。なめらかなあんこを楽しむことができ、あんこ好きにはたまりません!そして、一番下の白は薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)。ふんわりと山芋の香りが香る、上品な味わいです。

かわいらしい花見団子も魅力的ですが、3つの味わいを楽しめるこの1本のとりこになってしまいました。こんなぜいたくなお団子と過ごすお花見はきっと素晴らしいに違いありません!

そしてもう一つ紹介したいのが、こちらも一風変わった「桜餅」です。桜餅といえばピンクのイメージですが、亀屋則克の桜餅はよもぎ餅で作られています。はじめ見つけた時は「こんな桜餅があったとは!!」と、とても衝撃を受けました。

よもぎ餅は花見団子のよもぎ餅とは全く異なり、色も深い緑色、むっちりと弾力のある食感です。葉っぱを広げると、生地には葉脈の跡が。うっとりしてしまいました。

そして、中身は粒あん、たっぷりと入っています。

春の和菓子では草餅が大好きな私。来年からも毎年食べたいなと思える、とってもうれしい出会いとなりました。皆さんも思い思いの春を楽しんでくださいね!

文:せせなおこ