こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。
今回のお菓子は、前回に引き続き京都にある亀屋則克の「わらび餅」を選びました。亀屋則克は大正5 年に創業したお店で、銘菓のわらび餅は創業当時からの製法が受け継がれています。
透明で涼しいイメージのわらび餅は夏のお菓子の定番。そんなわらび餅の概念が覆されたのは名古屋で食べた本わらび粉を使った、あんこ入りのとろけるわらび餅でした。わらびの根から作られる「本わらび粉」は希少性が高く、高級品。茶色で弾力のある生地が特徴です。
名古屋以外ではなかなか見かけることのないあんこ入りのわらび餅。見かけるとついつい買ってしまいます。暑さに弱いため、夏には販売されないことを知り、毎年私の中では春の食べ物としてこの時期に食べるのが恒例となっています。(ちなみに亀屋則克では10月〜4月末までの販売。気になる方はお早めに……!)
パックにまんまると収まる姿がとってもかわいいです。追加のきな粉もついており、思う存分きな粉を使うことができますが、追加のきな粉が必要ないほど、想像以上にたっぷりと香ばしいきな粉がかかっています!
わらび餅を黒のお皿に広げるとまるで宇宙に広がる銀河系のようで思わず見惚れてしまいました……まさに芸術品。食べるのがもったいないです。
黒文字をわらび餅に入れるともふもふ、とろり。手から伝わってくる感触に癒やされます!
中には濃厚なこしあんが丁寧に包まれています。水分たっぷりで飲めるほどのもったり感。
一口サイズに切った後はたっぷりときな粉をつけていただきます! 本わらび粉特有のもふもふ、もぎゅっと弾力のある歯応えにとろけるあんこ、香ばしいきな粉。口いっぱいに幸せが広がります!
わらび餅に合わせる飲み物は、お茶はもちろんのこと、コーヒーとのペアリングをおすすめします。きなこの香ばしさとコーヒーの香ばしさがお互いを引き立て合うので、コーヒー好きの方はぜひ試してみて欲しいです。
待ちに待った春もあっという間に終わってしまいそうですが、自分なりの春を見つけて、もう少し春を満喫したいものです。
- <今日のおやつ>
亀屋則克
わらび餅 1個450円
文:せせなおこ