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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第66回 喜信堂の北住まい」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

前回に引き続き、喜信堂のお菓子を紹介します。前回は大きな最中を紹介しましたが今回は「北住まい」という羊羹を紹介します。喜信堂は昭和6年に創業した北海道、名寄(なよろ)市にあるお店。北住まいを初めてみた時に、かわいいパッケージに一目ぼれ。中身はどんなお菓子なんだろう? と引きつけられました。

北住まいという菓名は名寄市の医師・歌人として活躍された故坂田文子先生の句“寒星や生涯 雪の北住まい”に由来するのだそう。

青、緑、赤。くすみカラーの包装紙でキュキュっと包まれているのは小豆の羊羹。ワクワクしながら包みを開けると小豆のホクホクしたやさしい香りがふわ〜と広がります。

小ぶりなサイズがとってもかわいいです!

羊羹を切ると現れたのは大粒の栗! 京都、丹波地域の栗が使われています。小豆の黒と栗の黄色のコントラストが美しいです。

羊羹部分は思っていたよりもとろりとしています。十勝産の小豆はとても濃厚で、さすがは小豆大国北海道。栗もほくほくで食べ応え満点です!

羊羹というと一般的には大きな一本の竿物を想像しますが、こんなにかわいい羊羹があるなんて! 新しい発見でした。見た目はもちろん、とろとろの食感や小豆の香り高い風味も羊羹の概念をいい意味で覆す、新しい羊羹。ぜひ味わってみてくださいね。

文:せせなおこ