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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第70回 村岡屋のさが錦」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

福岡出身の私は小さい時から九州のさまざまなお菓子を食べてきました。大人になってその当たり前の九州のお菓子は「和菓子」という分類の中で少し特殊な存在であることを知りました。今回はそんなちょっと変わった和菓子の一つであり、昔から大好きな佐賀にある村岡屋の「さが錦」を紹介します。

さが錦は小豆のカステラとも呼ばれる「浮島」という生地をバームクーヘンで包んだお菓子。肥前鹿島藩大名・鍋島家に伝わる伝統織物『佐賀錦』をイメージして作られており、なんと4年の歳月が費やされています。今回は一切れずつカットされている定番の小豆と栗のミックスと季節限定の「みかん」を紹介します。

まずは定番の小豆と栗のミックス。バームクーヘンに小豆の浮島が挟んである、とても斬新なお菓子です。初めてみた時は小豆のカステラにバームクーヘン? 変わったお菓子だな〜! ととても不思議な感じがしたのを覚えています。

さが錦の浮島とバームクーヘンの間はチョコレートでコーティングされています。生地には小豆と栗が入っていて、ふわふわな浮島にいいアクセント。

洋菓子の素材は使ってありながらもしっかりとした和菓子を感じられ、南蛮菓子が受け継がれていることを感じられます。

そして、こちらは季節限定のみかん。オレンジ色でとてもかわいらしいです。

先ほど紹介した小豆のさが錦の浮島は、小豆のあんこで作られていますが、こちらのみかんは白あんがベースとなっているため、全体的に色も明るく仕上がっているため、オレンジ色がとっても綺麗なのも特徴です。

佐賀県産のみかんが使われ、爽やかなさが錦! みかん味は初めて食べましたが、とても爽やか、フルーティーで、この季節にぴったり! アイスコーヒーにもぴったりだなと感じました。佐賀のお菓子ですが、福岡でも購入することができるので、夏休みに九州に訪れる機会のある方は新しいお土産として、ぜひ手に取ってみてください。

文:せせなおこ