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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第85回 ざびえる本舗の南蛮菓Bungo」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今回紹介するのは前回と同じく、大分県のざびえる本舗。今回は去年誕生したばかりの新しい商品「南蛮菓 Bungo」を紹介します。お菓子の名前になっているBungo(豊後)は地域の名前。かつては世界に開かれた国際都市でした。

キリシタン大名・大友宗麟(おおともそうりん)は、南蛮貿易により得た莫大な経済力を背景に勢力を拡大しました。1595年当時のヨーロッパで描かれた日本地図には、九州全体に「Bungo」と記されているのだそう。この大友宗麟の功績をたたえて誕生したのが、「南蛮菓 Bungo」です。

オレンジ色のデザインの箱を開けると、6つのお菓子がずらり。真っ黒の袋に金色のBungoが光ります。

袋を開いてびっくりしたのは、カカオ風味のチョコレートの香り! 思わず鼻に近づけてその香りを堪能してしまうほどの濃厚な香りに驚きました。

食べる前からこの香り。もちろん口に入れると口いっぱいにチョコレートの香りが広がります。チョコレートがフェードアウトした頃、次に現れるのがラム酒の香り。チョコレートの生地の中に入っているのはラム酒に漬けられた刻みレーズンを練り込んだ餡なのです。

小さいながらもしっかりとした食感で満足感があります。今まで出会ったことのない斬新なおまんじゅう。きっと昔の人たちが初めて南蛮菓子を食べた時もこんな風に驚いたんだろうな。そんなふうに歴史を感じながら食べることのできるお菓子が、新しく誕生したことをとても嬉しく思います。

常温で30日と日持ちもするのでお土産やギフトにもぴったりです。大分、そして九州を代表するお菓子になればいいなと思います。

文:せせなおこ