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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第90回 北島の詰め合わせ」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今回紹介するのは佐賀県、北島の銘菓「丸芳露(まるぼうろ)」の詰め合わせです。九州出身であれば、必ず食べたことがあるといっても過言ではないおなじみのおやつ、丸ぼうろ。小麦粉、砂糖、卵で作られるシンプルなお菓子です。

その歴史は1500年代、ポルトガルから伝わったお菓子であるボーロに由来します。ボーロはポルトガルでは「ケーキ」の意味を持ち、カステラ・ボーロとして伝わったお菓子のカステラとボーロが別々になった、船乗りの保存食として伝わったなどいくつかの説があります。

今回選んだのは3種類のぼうろが楽しめる詰め合わせセット。

付属のパンフレットがとてもかわいいです。

まずは定番の丸芳露から。

硬めに焼かれた生地に齧り付くと、凝縮されたカステラのような甘くギュッとした噛みごたえ。うーん、これこれと思わず笑みがこぼれます。

牛乳と一緒に食べるのが私のお気に入りの組み合わせです。

数年前に初めて食べて気に入ったのがこちらの花ぼうろ。しっとりとしたケーキのような丸ぼうろの間にあんずのジャムが挟んであります。長崎の雲仙地方で時折見られる霧氷(むひょう:空気中の水蒸気が氷の結晶となって木に付着する現象)がモチーフになっています。

「からだに良い食材でお菓子を作りたい」という想いから生まれたごまぼうろはすりごまがたっぷりと混ぜ込まれた香ばしいぼうろ。3つの中で一番薄く、お煎餅のようなパリパリの食感が特徴です。

それぞれ全く異なる食感が楽しい3種のぼうろの詰め合わせ。きっと初めての方もぼうろの魅力にハマってしまうはず! どこか懐かしくほっこりとやさしい気持ちになれるぼうろをぜひ楽しんでみてください。

文:せせなおこ