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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第106回 叶 匠壽庵の閼伽井(あかい)」

せせなおこ

こんにちは、和菓子文化研究家のせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

前回に引き続き、滋賀・叶 匠壽庵(かのう しょうじゅあん)のお菓子を紹介します。今回紹介するのは「閼伽井(あかい)」というお菓子。初めてみた時「なんと読むのだろう?」そして、「どういう意味なんだろう?」と、とても気になったお菓子です。閼伽井は羽二重餅を使った餅菓子。黒蜜きなこと抹茶、2種類の味があります。

お菓子の名前になっている閼伽井とは「閼伽井屋」に由来しています。「閼伽井屋」とは仏様に供える水をくむための建物のこと。叶 匠壽庵が商いを始めたという場所の近くにある三井寺には天智・天武・持統の三天皇の産湯に使われたと伝えられる霊泉があり、これが三井寺の由来にもなっているそうです。

まずは、黒蜜きなこから。袋を開けるとようじ、黒蜜、そしてきなこがたっぷりとかかったお餅が出てきます。ようじが付いていることで手軽に食べられるのは嬉しいポイントですよね。

たっぷりとかかっているのは滋賀県産の大豆を使用したきなこ。深煎りの鮮やかな色合いです。

きなこの上に黒蜜をたっぷりとかけていきます。香ばしいきなこの香りがたまりません。

閼伽井の特徴はコシのあるお餅。ようじで刺すときはもちもちと柔らかい感触でありながら、いざ口に入れるとしっかりとした歯応えを感じます。お餅自体のやさしい甘みに香ばしいきなこと黒蜜が絡み合い一口の小さいお餅でありながら口の中に大きな幸せをもたらしてくれます。

続いては抹茶。こちらには抹茶きなこと抹茶蜜をかけていただきます。とても鮮やかで綺麗な緑色です。

抹茶きなこをかけた後は抹茶蜜を。こちらは黒蜜よりもとろりとしていて、お餅にもとても絡みやすいです。みるからに濃厚な抹茶蜜、というのが食べる前から伝わってきます。

抹茶きなこはほろ苦さを感じられ、抹茶蜜はしっかり甘め。この2つのバランスがとてもよく調和し、抹茶のおいしさを存分に味わうことができます。

閼伽井はもちもちとした食感が好きな方にはぜひ食べていただきたいお菓子。今回のようにお菓子を通じて日本文化に触れられるのは、歴史好きの私にとって、とてもうれしいポイントです。手土産やギフトの際にも、こうした和菓子の由来をきっかけに話が弾むと和菓子たちもきっと喜ぶだろうなと思います。おいしい時間のお供に、ぜひ閼伽井を味わってみてください。

文:せせなおこ