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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第23回 松月堂 栗苞(くりづつみ)」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

いよいよやってきた夏! 暑い季節を頑張って乗り切るぞ! と気合が入ります。今回紹介するのは、明治40(1907)年に創業した、岐阜県・中津川にあるお店松月堂の「栗苞(くりづつみ)」。これから始まる夏を元気に乗り切るためにぴったりなお菓子です。

岐阜県中津川市は国内有数の栗の産地のひとつ。お菓子の栗きんとん発祥の地としても知られています。栗きんとん、というのはおせちに入っている栗金団(くりきんとん)ではなく、まさに栗の形のようなお菓子のこと。材料は栗と砂糖のみで、蒸した栗を裏ごしし、砂糖と混ぜて炊き上げ、茶巾絞りで一つ一つ作られます。

栗きんとんは栗の季節が始まる秋、毎年9月頃に解禁日があり、旬の季節だけ楽しめる、とっておきのお菓子です。そんな秋の味覚をいち早く、そして夏っぽく堪能したい! というとってもわがままな欲を叶えてくれるのが今回紹介する「栗苞」です。

栗苞は先ほど紹介した栗きんとんを葛で包んだお菓子。透明感ある見た目はまさに夏にピッタリ! とても涼しげでみているだけで和やかな気持ちになります。一口サイズでころんとした見た目がとってもかわいいです。

びっくりするのはその食感!もっちりと弾力のある葛、そして中に入っているなめらかな栗きんとん! 2つの食感で楽しめます。

さらにおすすめは食べる前に少しだけ冷やすこと! 冷たい葛は食欲が落ちてしまう夏でも食べやすいのも嬉しいポイントです。(冷やしすぎると葛が固くなってしまうので気をつけてくださいね!)

そして、夏限定の「レモン栗苞」。レモンの描かれた黄色のパッケージ。食べる前から爽やかなことが伝わってきます。

レモン栗苞は葛の部分に瀬戸内レモンの果肉が入っています。

ちょっぴりほろ苦さを感じる、レモンの爽やかな味わい。冷たい飲み物と一緒に合わせてひんやりとした休憩のお供にいかがでしょうか。

※編集部の諸事情により、本記事の掲載タイミングは、予定より遅延してしまいました。読者の皆様にお詫び申し上げます。

文:せせなおこ