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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第25回 五勝手屋本舗 金時山」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今回紹介するのは、北海道にある五勝手屋本舗(ごかってやほんぽ)の「金時山」というおまんじゅう。私はこのおまんじゅうがとにかく大好き。何個でも食べられるんじゃないか、というほど本当に大好きなおまんじゅうです。もっと多くの人に知ってほしい! 食べてほしい! そんな思いで今回選びました。

五勝手屋本舗は北海道、江差(えさし)にある和菓子屋さん。「丸缶羊羹」という丸い筒に入った羊羹が名物です。レトロなかわいいデザインと糸で羊羹を切るという仕掛けが楽しい羊羹。一般的な羊羹は小豆で作られているのに対し、五勝手屋の羊羹は金時豆でできていて、あっさりとした甘さが味わえます。

ここで一つ紹介したいのが、通好み、という商品。五勝手屋羊羹の先端の部分は空気と触れることでお砂糖が結晶化し、シャリシャリとしています。羊羹1本につき食べられるのは一つのみ! 北海道出身の友人によると、このシャリシャリを誰が食べるかでよくけんかした、というかわいらしいエピソードを教えてくれました。

そんなシャリシャリ部分だけが食べられるのが通好み。これがあればけんかの心配もありませんね!

話を戻して、五勝手屋羊羹に使われている金時豆でつくったお菓子が今回の主役、金時山です。おまんじゅうの表面には先ほど紹介した五勝手屋羊羹がコーティングされていて、つややかに光っています!

そんな金時山の中にはあんこではなくお豆がぎっしりぎっしり! とにかくぎっしり詰まっています!!!

おまんじゅうの皮部分がとても薄いので一口目からお豆が口の中にやってきます。しっとり、ほっくりした金時豆ならではの食感を思う存分堪能できます。

ちなみに、このお豆は甘納豆。北海道といえば赤飯に甘納豆を入れることで有名ですが、その際使われる甘納豆も小豆よりも金時豆が多い気がします。その他の地域では、金時豆は煮豆くらいしか見かけませんが、北海道は金時豆の産地ということもあり、金時豆をいろんな方法で楽しむ文化が浸透しているようです。

他にはない、ザ・金時豆、を楽しめる一品。豆好きなあなたに、ぜひ食べてほしいおまんじゅうです!

文:せせなおこ