
こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。
今回のお店は前回と同じく、東京・新橋にある文銭堂本舗。創業は1948年。文銭最中が評判になり「文銭さん」と呼ばれたことが店名の由来なのだそうです。
今回はそんなお店の名物でもある「文銭最中」を紹介します。寛永の昔、京都方広寺の大仏様から通貨(文銭)が造られ、人々から大仏様の化身として無病息災のお守り、また財布の種銭として大切にされてきました。この寛永の故事により名付けられたのがこの文銭最中です。
今回は8個入りを注文しました。箱を開けるだけで香ばしい最中の香りが漂います。食べる前から癒やされていい気分。
包を開けると出てきたのは寛永時代の文銭を模した丸い形の最中。とてもかわいいです。
まずは小豆。
最中の皮はサクッとしていていい食感! 皮むきあんに鹿の子豆を合わせたあんこは、みずみずしく、透き通っている……!!! なめらかでとても上品な味わいで、ぺろっと食べ終えてしまいました。
次は栗。多めの栗あんと白あんを混ぜ合わせたあんこには刻んだ栗が練り込まれていて、いいアクセントになっています。
どちらもかわいいサイズ感なのですが。一般的な最中に比べ高さがあるため、あんこがたっぷり入っており、満足感があります。それにしてもどちらもあんこが本当においしいです。最中のイメージが覆る最中。これは多くの方に食べてもらいたいです。
新しいことが始まる季節。ワクワクすることがたくさんある一方、ソワソワしたり、不安な気持ちも拭いきれませんが、そんな時に心を落ち着かせ、そっと背中を押してくれるのも和菓子ではないでしょうか。サクサク最中と上品なあんこで心を落ち着かせたら、大きく深呼吸をして、新しい季節を思いっきり楽しみましょう!
- <今日のおやつ>
文銭堂本舗の文銭最中(8個入) 1,280円(税込)
文:せせなおこ