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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第88回 いと重菓舗の埋れ木」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

小さい時からとにかくもちもちが大好きな私ですが、大学生になって、出会ったのが今回紹介する「いと重菓舗」の埋れ木でした。求肥につつまれた白あん、そこに抹茶と和三盆がまぶされた上品すぎるお菓子。こんなに高級感あるもちもちに衝撃を受けました。たまにこのやさしさに癒やされたい時に買うのですが、大人になったな〜と、実感できるご褒美和菓子です。

今回お店のホームページを開いてみると、見慣れた埋れ木の他に御濃茶の埋れ木、そして、季節の埋れ木を発見! これはぜひ食べてみたい、と注文しました。そんな3種類が一緒に楽しめる一箱。ひとつずつ見ていきましょう!

まず最初はノーマルタイプの埋れ木。埋れ木というのは彦根藩藩主の井伊直弼が学問、武術をはじめ、茶道、能などを学んだ藩の公館「埋木舎(うもれぎのや)」から名付けられたのだそう。

紙の包みを開くと登場するのは淡い緑が美しい埋れ木。口に入れると甘くやさしい和三盆にふっと全身の力が抜けていきます。

そして、中に包まれている白あん。この白あんがもったりとなめらかで、かつ重厚感があり、特別な白あんなのです。長年の技術を駆使して作られる、白あん、あんこ好きにはたまりません!

次に御濃茶の埋れ木。包まれている袋も緑をしていて、濃厚な雰囲気が食べる前から感じられます。

普通の埋れ木に比べてぜいたくに抹茶が使われている御濃茶の埋れ木は、甘さも控えめ。

小さいながらももちっと、ずっしり感があります。一口ずつ大事に味わいたいです。

そして、季節限定のさくら。さくらの埋れ木はパステルピンクで本当に桜が咲いているかのようなかわいらしさで食べるのがもったいないです。

あんこからは桜特有の春の香りが漂い、まるで体に春を取り込んだような、ほっこりと温かい気分になります。

さくらは、4月下旬までの販売予定だそうですが、それぞれの季節に合わせた檸檬やきな粉など限定の埋れ木が販売されるのだそう。どの埋れ木も気になります!

抹茶が使われているので抹茶やお茶に合うのはもちろんですが、実はコーヒーと和三盆の相性も抜群。お気に入りのコーヒーと優雅な時間をお過ごしください。

文:せせなおこ