- 1.本店は若宮大路・北条泰時小町邸跡地。今年で創業67年目を迎える鎌倉紅谷
- 2.ひとつで手が止まらない!ほろあま苦いキャラメルとバター生地が絶妙なクルミッ子
- 3.クルミッ子を丸ごと包んだお菓子も登場!クルミッ子INN
- 4.八幡宮前本店限定!7種類のクッキーの詰合せpetit paquet(プティ・パケ)
- 5.2021年誕生の新デザイン!あじさい45周年記念缶が販売開始
1.本店は若宮大路・北条泰時小町邸跡地。今年で創業67年目を迎える鎌倉紅谷
鶴岡八幡宮を背に若宮大路の左側。すぐそばに人力車のえびす屋さんも並ぶ通りに面しているのが【鎌倉紅谷 八幡宮前本店】です。
黒を基調としたシックで落ち着いた佇まいのビルは2018年にリニューアルオープンしたばかりですが、【鎌倉紅谷】が鎌倉で創業してから変わらずにこの場所にあります。
この本店の場所は北条泰時の家があったところで、この北条泰時は来年放映予定のNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公・北条義時の息子にあたります。
そんな歴史的にも有名なところに【鎌倉紅谷】が店を開いたのは昭和29年。東京神楽坂にあった和菓子舗【紅谷】で修業していた初代とその弟子である2代目が共同で「鎌倉に合うようなお菓子をつくろう」と始めたのがきっかけだそう。
そしてこの2代目が実は和菓子ではなく洋菓子職人だったのです。
今でこそ、和菓子と洋菓子とのコラボレーションは珍しくありませんがその試みは新鮮だったに違いありません。
洋に和のテイストを入れる。それが【鎌倉紅谷】の魅力。広報の山川さんにたくさんお話を伺ってきました。
2.ひとつで手が止まらない!ほろあま苦いキャラメルとバター生地が絶妙なクルミッ子
クルミッ子 8個入り 1,166円(税込)
鎌倉紅谷といえばクルミッ子。そういっても過言ではないほどの人気商品です。
※提供写真
断面からもわかるようにクルミがぎっしり。
このクルミを包んでいるのが鍋で炊いているというキャラメルです。今でもキャラメルの味は、経験を積んだ職人だからこそ見極められるのだそう。
たっぷりと濃厚なバターを使ったバター生地で挟まれたクルミッ子は、クルミの香ばしさとキャラメルのほろ甘苦さと合わさって絶妙の食感と風味。
しっかりとした味なのに、あっさりと食べられるのでついつい1つ2つと手が伸びてしまいます。
クルミッ子は、2代目がスイスのお菓子エンガディナーにヒントを得てつくったのが始まり。そしてその愛くるしい名称も、販売前に仮称として「クルミッ子」と呼んでいたところ、人気が出てそのまま商品名として採用されたと言います。
クルミを使ったお菓子を考案したのも鎌倉にリスが多かったためで、鎌倉にちなんだものを、という気持ちから誕生しました。ちなみに、鎌倉で普段目にするリスは主に台湾リスですが、鎌倉紅谷のシンボルキャラクターのリスくんはニホンリスです。
湘南深沢店 ※提供写真
このクルミッ子、製造過程でどうしてもでてしまう切れ端を「切り落とし」としても販売していて、こちらも人気があり、今は鎌倉の湘南深沢店と幸浦店、テラスモール湘南店とオンラインショップで買うこともできます。
3.クルミッ子を丸ごと包んだお菓子も登場!クルミッ子INN
※提供写真
クルミッ子は2012年に「神奈川県銘菓展 菓子コンクール」で第25回最優秀賞受賞しています。
それから7年後の2019年に登場したのがクルミッ子をコーヒー味のパウンドケーキで包んだクルミッ子INN。
クルミッ子INN 1,512円(税込)
このパッケージですが、ホテルを表しています。鎌倉紅谷は以前、「ホテルあじさい」を経営しており、その名残からINN(宿泊施設)と、またクルミッ子がIN(中に入っている)しているということをかけた洒落から付いた名前です。
味は、クルミッ子とコーヒーのパウンドがまたさらにビターなテイストとなって、コーヒーにとても合いそう!
クルミッ子ファンにぜひ試してほしいお菓子です。
4.八幡宮前本店限定!7種類のクッキーの詰合せpetit paquet(プティ・パケ)
petit paquet 2,160円(税込)
ちょっとずついろんなお菓子が入っている詰め合わせはプレゼントにも嬉しいお菓子。
中身はノワゼット・ショコラ、マカダム、エダムパイ、メープルノワゼット、小さな鎌倉だよりのあずき、抹茶、そしてリスくんクッキーの7種類。
甘いものだけでではなくエダムパイも入っていて全体的なバランスが良く、また甘さも控えめなのでお酒にも合いそうですね。
このpetit paquetは本店の限定販売ですが不定期で通信販売されることもあります。
5.2021年誕生の新デザイン!あじさい45周年記念缶が販売開始
あじさい6枚入(缶) 1,458円(税込)
鎌倉紅谷のもう1つの有名なお菓子として知られているのがあじさい。
第13回神奈川県名菓展菓子コンクールで最優秀賞受賞、また第22回全国菓子大博覧会で名誉総裁賞受賞したお菓子。
あじさいの最大の特徴はその食感。今でこそなじみのあるラスクですがそれに似た感触で歯ごたえがありますが、ラスクと違うのがパンではなくパウンドケーキをスライスして乾燥させているところ。
練乳を染み込ませた生地は甘く、表面のアーモンドが香ばしくいいアクセントとなっています。このアーモンドはあじさいの花をイメージしていて、この商品も鎌倉で愛される花、紫陽花にちなんだお菓子として考案されました。
ちなみに、あじさいを作るときに、使用できない部分を活かす方法はないかということで「鎌倉の鐘」が生まれました。また、クルミッ子も鎌倉だよりの型抜きの後の残りの生地を有効活用できないかというところから生まれたお菓子。
「1つのお菓子を最初から最後まで大事に使う」それは鎌倉紅谷が大切にしていることの1つでもあります。
※提供写真
あじさいを描いた缶は、あじさい誕生から45周年を記念して今年新たに誕生、5月より販売が開始されました。
デザインはデザイナーが水彩画であじさいを描いたもの。素敵ですね。
取材・文:都野雅子