1.地元に愛される洋菓子店のような和菓子やさん
ふんわりと柔らかい口当たり。
初めて生どら焼きを食べた時のインパクトを覚えていますか?
和菓子の中でもその軽い後味を楽しみにおやつとして買う人もきっと多いはず。
そんな生どら焼きが人気のお店が神奈川県三浦郡葉山町にあります。
「和がし 葉な」は地元の人が何度も足を運んでしまうと評判の和菓子やさん。
一見、洋菓子店かと思うほどお洒落な店内に入るとコロンとした手のひらサイズの可愛らしい和菓子が迎えてくれました。
2.元パティシエールがつくるこだわりの和菓子
栗入り生どら焼き 250円(税込)
まんまるの生どら焼きはたっぷりとつまった生クリームと栗や季節限定の苺から生まれる形。もちろん、普通の生どら焼きもあります。(生どら焼き 1個180円税込)
定番で人気の「栗入り生どら焼き」は栗の甘露煮が入っていて、いただいてみるとびっくり!記憶にある栗の甘露煮とは違い、ねっとりと濃厚。その柔らかさは強めにすれば舌でつぶせるほど。パクパクと3口で食べきれてしまう量。全てがちょうどいい、そんな満足が広がります。
苺大福 260円(税込)
また、この時期特にオススメなのが1日限定30個という苺大福。
朝、横須賀の農園で収穫された完熟苺を使っています。
一般的な苺大福は苺がそのまま入っていますが、「和がし 葉な」の苺大福はあえてカットしてあります。それというのも苺の存在感が大きくてそのほかの素材が消えてしまうと感じたからだそう。
通常柔らかいからと使わない完熟苺を使うのも同じ理由から。完熟前の苺の硬さがほかの素材の食感を消してしまうためです。また完熟前の苺ならではの美味しさも理由の1つ。
求肥のしっとりとした柔らかさに包まれたあんと苺の甘みと酸味のバランスが良く食感も一体となって心地良い口当たり。こんな苺大福は初めて!今まで味わったことのない風味でした。
オーナーで職人の福島さんのこだわりはなんといっても材料。北海道産の小麦粉と小豆、沖縄八重山産の本黒糖、徳島県産の和三盆糖。そして生クリームは鎌倉でのパティシエール時代に働いていた洋菓子店でこれが一番美味しいよ、と教わったもの。
朝5時から始まる和菓子作りは、福島さんが自分の舌で選び抜いた材料でできています。
3.ひとくちからファンに。繋がる輪と広がる和
どら焼きラスク
他で食べたことがない!どら焼きラスクも試してほしい味。
「お菓子を作るのが好きだった」福島さんが最初に修行したのは洋菓子でした。そんなパティシエールの福島さんが和菓子を作るきっかけとなったのは、姪御さんから頼まれて作った生どら焼きなんだそう。
美味しいと好評だったこともあり、以前から好きだった葉山の別の場所で和菓子やさんとしてスタート。そして、2016年に現在の場所で「和がし 葉な」をオープンしました。
すでにファンも多かったことと1人で作っていることから、数に限りもあり今では日によっては早々に売り切れてしまうほど。取材に伺った日も何人もの人が買いに来ていましたが聞いてみるとリピーターさんばかりでした。
この評判の和菓子は頼まれて、今では箱根の岡田美術館のカフェや葉山の料亭にも届けています。
北軽井沢産 紫花豆を使ったパウンドケーキ。事前予約限定
美味しいスコーンが食べたくて生まれたスコーンに苺ジャムを添えて
福島さんがつくる和菓子は和の良さと洋の良さを合せたもの。その味にそして人柄に魅了されファンが広がっています。探して買いに来てきっと満足する。そんな和菓子に出合いに出かけてみてくださいね。
取材・文:都野雅子