東京都大田区池上。昔ながらの和菓子屋さんが多い、池上本門寺付近にあるのが大國屋です。
創業はなんと昭和13年。地元の人からは、「大國屋さんの栗大福、美味しいよ。」と今も親しまれています。
大福の評判はもちろんですが、どうやら訪れる人それぞれにいわゆる「オシ」の和菓子があるのが気になるところ。
今回は栗大福と、大田区のお土産100選にも選ばれているごま団子、大栗どら焼きをご紹介。
「こだわりを持たないことがこだわり」という大國屋の魅力をお伝えしていきます。
1.「なくならないで‥」の声が届いた大栗大福
大栗大福 205円(税込)
大國屋といえば大栗大福。ごろんとおおぶりの栗の甘露煮をちょうどいい甘さのあんこが包みます。
池上はくず餅が有名な土地ですが、この大栗大福はまたそれとは違う和菓子として人気です。
その人気は2代目から現3代目に経営が変わる時、町の人から「大栗大福なくさないで‥」との声が店に届いたほど。今年で80年を超える池上店では、毎週火曜日にはこの大栗大福がお得に買えるとして賑わっています。
その声に応え、販売当時から変わらぬ味と美味しいものをと今も作り続け、今では期間限定のフルーツを使った大福もあります。
いちご大福も、子どもがいちごに練乳をかけて食べているのを見て、白あんを合わせたいちご大福を考案。初夏にはみかんが丸ごと入った、みかん大福が販売されています。
みかん大福 216円(税込)
「このみかん大福を少し凍らせて食べると美味しいのよね。」と仰るお客さんもいらっしゃいます。
「餅が固くなるのでオススメとは言えませんが」と教えてくれたのは、大國屋の須藤さん。
半解凍で食べてみると、みかんが冷凍みかんのようにシャリシャリしていて、夏にはちょっと試してみたい美味しさでした。
現在はこの池上店にほど近いここ多摩川矢口店で、職人さん達が大國屋で販売する和菓子を丁寧に作りあげています。
2.どれもこれもと迷う種類豊富などら焼き
大栗どら焼き 270円(税込)
大國屋には【大田のお土産100選】に選ばれた和菓子が2つあり、そのうちの1つが大栗どら焼きです。
大栗どら焼きは大福と同様、大きな栗が入っています。どら焼きの皮はしっとりとしてふっくら。お土産に喜ばれるのもうなずけます。
常時7種類のどら焼きがあるので、詰め合わせもオススメです。中でも女性に人気があるのが、胡桃キャラメルどら焼き。
胡桃キャラメルどら焼き 238円(税込)
ほろ苦さも感じるキャラメルに、香ばしい胡桃がぎっしり詰まっています。また、期間限定のどら焼きもあり、初夏の時期はレモンあんどら焼きが楽しめます。
レモンあんどら焼き 216円(税込)
昔ながらのどら焼きは緑茶が欲しくなりましたが、このレモンあんどら焼きと、胡桃キャラメルどら焼きは、コーヒーや紅茶に合いそう!
3.たっぷり!ごままみれのごま団子
冷やし団子 220円(税込)、ごま団子 1本108円(税込)
平成30年の【大田のお土産100選】に選ばれたのは、こちらも大栗大福と並んで人気のごま団子。 たっぷりという言葉がぴったりなほど、団子にかけられているごまだれは、黒ごまの風味に甘み、胡桃を加えた特製のたれ。団子が大きめなので1本で食べ応えも十分!
ひんやりした冷やし団子は、同じくごま団子でもスッキリした甘さの方が合うとして、胡桃は加えないたれにしています。
このごま団子、たれが余ればアイスにかけても美味しそうです。ごま和えに使っているというお客様もいるそうで、そんな会話が生まれる光景を思うとほっこりしてきますね。そのほか、みたらしの冷やしもあります。
4.お手ごろ価格で美味しい和菓子を
大國屋の店内に並んだ和菓子は、お手ごろな価格のものが多いのも喜ばれている理由です。それも大國屋が”美味しいものを食べて喜んで欲しい”という気持ちが変わらずにあるから。
その気持ちが根っこにあるため、新しい菓子もよく誕生しています。暑い季節に登場するのはかき氷ですが、和菓子処ならではのかき氷として、定番の苺のほか、抹茶ときなこがあります。またこの苺のシロップも店で苺を煮て作った自家製。
かき氷 各種 350円(税込)
普通の菓子を丁寧に作る。それが大國屋の「こだわりを持たないことがこだわり」なのかもしれません。
ぜひ足を運んでみて下さいね。
取材・文:都野 雅子
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