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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第89回 いと重菓舗の欅みちと柳のしずく」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今回も前回と同じく滋賀県のいと重菓舗のお菓子を紹介します。今回紹介するのは「欅みち」と「柳のしずく」という2つの商品。初めて滋賀の店舗に行った際、何げなく買った商品なのですが、あまりのおいしさに衝撃を受けたのを覚えています。久しぶりにあのおいしいお菓子を食べたい! そしてもっと多くの方に知ってほしい! そう思い今回選んでみました。

和菓子屋さんの包装紙集めが趣味の私ですが、いと重菓舗の包装紙は彦根城が描かれていて、とてもカッコいいんです! 目上の方への贈り物でも安心できる、特別感があります。

まずは「欅みち」。袋を開けると目に入ってくるのは綺麗な緑色と、ふんわりとやさしい抹茶の香り。

見た目からどら焼きのように見えますが、これは抹茶の浮島で大納言の特製あんを包んだお菓子。浮島とは砂糖、卵、小麦粉の生地にあんこを混ぜて作る蒸しカステラのこと。しっとりと密度のある食感が特徴です。

大納言小豆も香り高く、抹茶と小豆のハーモニーがたまりません! 「欅みち」を食べると特別な気分に導かれます。

続いては「柳のしずく」というおまんじゅう。このおまんじゅうは、しなやかに揺れる柳を模した文様が特徴。かつていと重では、井伊直弼自らが彫ったという柳の木型を用いて、落雁づくりを任されていました。その木型の複製を用いて作られているのが、この「柳のしずく」です。

ふっかふかの生地にバターの甘い香りとあんこ、目をつぶって「あー、おいしい…!」と堪能してしまいました。温かいお茶そしてコーヒーとも相性抜群! 歴史ある意匠にロマンを感じながら味わってみてください。

まるで小さな歴史の旅をするような、いと重菓舗のお菓子たち。「欅みち」のしっとりした浮島の抹茶の香りも、「柳のしずく」のふかふかの生地とあんこの優しさも、ひと口ごとに心をほどいてくれます。気になる方はぜひ一度味わってみてください。

文:せせなおこ

Wed, 30 April 2025 13:00:00 GMT+09:00