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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第5回 亀じるし 天満月」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今日のおやつ「天満月(あまみつき)」

9月といえば思いつくのはお月見。「中秋」を使うと、旧暦8月15日のみを指し、「仲秋」を使うと秋を3つに分けた真ん中、つまり旧暦の8月全体を指すんだそうです。なので旧暦8月15日の月を指す「ちゅうしゅうの名月」には「中秋」を使うのが正しいそう。

サザエさんのエンディングでお団子をつくるサザエさんに子供たちが「おしるこがいいな」とつぶやき、ススキと共にお汁粉が飾られるシーンが流れます。関西と関東ではお月見団子の種類が違うこと、名古屋には特別な形のお月見団子(しずく形!)があることなど、お月見=お団子のイメージが強かったですが、思い思いのやり方で楽しむことが大事だなと感じました。

月をテーマにしたお菓子を眺める中、気になった今回のお菓子「天満月(あまみつき)」。天満月は夜空に輝くお月さまとお星さまをイメージされて作られています。チョコ皮の中に見える鮮やかな黄色のあんこが本当に満月のようで、「この満月食べてみたい!」と思い、注文しました。

まず感激したのがこのパッケージ。スタイリッシュなブラウンの箱。外箱をスライドすると月の満ち欠けが現れるおしゃれなデザインです。

おまんじゅうは1つずつ箱に入っていて、袋に描かれたうさぎの姿にウキウキしてしまいます。

袋を開けるとチョコの濃厚な香り……! そして、表面にはキラキラと輝く金粉が! 半分に切ると、待ちに待った黄身あんの登場です。写真でも十分きれいでしたが、本物はうっとりさせてくれる美しさがあります。

ココアパウダーが練り込まれたチョコレートの皮はほろ苦い味わいで、ほんのり甘い黄身あんがとてもいい組み合わせ。しっとりとしていて、思わず笑顔になってしまうおいしさです。

和菓子の魅力は季節を感じ、そして体に取り入れることができること。こうやって季節の和菓子を食べることでなんだか季節と一体化したような、ちょっと誇らしい気持ちになります。

秋は空気が澄んで月がきれいに見える季節です。「中秋の名月」にお月見を楽しむことはもちろんですが、いざ当日になると、雨になったり、忙しかったり、はたまた忘れてしまったり。だからこそ、普段から何げなく空を見上げて、月の美しさを感じられる、そんな風に季節を感じながら過ごしていけたらいいなと思います。

文:せせなおこ