No Area

お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第116回 木村屋の古鏡」

せせなおこ

こんにちは、和菓子文化研究家のせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今回は、山形にあるつるおか菓子処 木村屋の「古鏡(こきょう)」を紹介します。「古い鏡がモチーフってどんなお菓子だろう? 丸い羊羹……? でも求肥も入ってる? 一体どんな……?」と、以前から気になっていたお菓子です。

古鏡は羽黒山山頂の三神合祭殿のすぐ前の鏡池から発見された古鏡をかたどったお菓子。羽黒山は米どころ庄内にそびえる、出羽三山の一つで、約1500年前から人々の信仰を集めてきた場所。その羽黒山の山頂にある「鏡池」には、人々が願いや祈りを鏡に込めて池に納める風習(池中納鏡)があり、実際に鏡池から、平安・鎌倉・江戸時代中期までの鏡が多数発見されており、その古い鏡をかたどったお菓子、それがこの「古鏡」なんだそうです。

包みを広げて驚いたのは、形といい、色といい、思わず声が出てしまう美しさ。ずっしりとした質感はまるで本物の鏡のような古鏡が登場しました!

表面にはたっぷりのお砂糖がまぶされています。一口かじるとサクッとした食感、そして、とても香り高い小豆の香りが広がります。中にはもちもちの求肥! 食感、香り、求肥と小豆、色々な楽しさが重なり、食べていると思わず笑顔になってしまいます。

たっぷりのお砂糖でしっかりと甘いはずなのに、くどくなく、すっきりと味わうことができます。そのままはもちろん、食べる前に少しだけ冷やして食べるのもおすすめ。特にこれからの季節はアイスコーヒーなど冷たい飲み物と、少し冷えた古鏡、相性抜群の組み合わせです!

さらに、古鏡をモチーフにした古鏡せんべいもあります。

右のしおりは古鏡がそのまましおりになっていているんです! かわいいですよね! そんなしおりと並べてもそっくりなほどの再現性には驚きます。パリパリの軽い食感のお煎餅は何枚でも食べられそう。古鏡、そして古鏡せんべい。歴史を感じながらじっくりと味わってみてくださいね!

文:せせなおこ