こんにちは、和菓子文化研究家のせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

広島・にしき堂といえばもみじ饅頭が定番のお菓子ですが、今回はちょっと変わり種の「新・平家物語」という商品を紹介します。

伝統を感じられるパッケージ。文豪・吉川英治先生の「新・平家物語」にちなんで創作されたそうです。「祇園精舎の鐘の声…」学生時代暗記したなぁ、と懐かしくなります。

箱の内側には「開いてお菓子受け皿にご利用ください」のメッセージが! 外出中や旅行中、ちょっとお皿が欲しい! という場面が今まで何度もあったのですが、これはとっても便利なパッケージだと感心しました。

もちろんそのまま手で食べる、でもいいのですが、こうしてちょっと受け皿ができるとほっと一息心を休める時間を作ることができますよね。うれしい心遣いです。
カステラの切り口を十二単衣(ひとえ)に見立て、赤あんは平氏、白あんは源氏が表現されています。どちらも一口サイズで食べやすく、ちょっとしたおやつにぴったりです。
そして、この新・平家物語の発売50周年を記念して発売されたのがあんバター味。

かわいくポップなパッケージに一目惚れしてしまいました! 実はこのイラストには意味があり、小豆、バター、バームクーヘン、平家の象徴であるアゲハ蝶、源氏の象徴であるささりんどうの花が描かれています。

箱を開けるとお菓子とともに、新時代の平家物語のお話が書かれています。平氏があんこ、源氏がバターを持ち寄って一緒にお菓子作りをした、という物語。ほっこりしますね。

もともとの新・平家物語に比べてふわふわしたバームクーヘンとあんバターのクリームによって、より洋風の平家物語に仕上がっています。
とても見た目が似ている2種類の新・平家物語ですが、前者は和風で、あんバターは洋風感が強く、印象が全く異なります。ぜひ一緒に食べ比べて楽しんでいただきたいなと思います。
どちらの新・平家物語もテーマは平和。カステラ生地やあんこを通して、平和が表現されていてとてもすてきなお菓子だなと感じました。お菓子を食べてほっと一息つける時間があれば、やさしい気持ちになれるはず。みんながやさしい気持ちで日々を過ごせたらいいなと思います。そして、お菓子をおいしく味わえることに感謝することを忘れずにいたいなと思います。
文:せせなおこ



