相模原

【杉山 本店】このおいしさはクセになる!本わらび粉100%のわらび餅のなめらか食感

都野 雅子

1.ありそうで意外と少ない?九州産本わらび粉100%のわらび餅

ぷるんとした口どけが楽しいわらび餅。人気の和菓子の1つですが普段口にしたことのあるわらび餅が本当のわらび餅とは違うと知ったら驚きますか?

関西では自分でわらび粉を練ってつくる人も多いというわらび餅ですが、その材料となるわらび粉は山菜のわらびの茎から採れるデンプンが原材料。古くから親しまれている味ですが、手間がかかる上、数も少なくなっていることから比較的高価です。

タピオカなど他の材料を合わせたものをわらび餅として販売されていることも多く、独自の配合で人気のある商品もありますが、本わらび粉100%のわらび餅を売っているところは実は少ないのです。

杉山本店本わらび餅 600円(税込)

そんなわらび粉100%のわらび餅をつくっているのが、ここ「杉山 本店」。神奈川県・茅ヶ崎から橋本を結ぶJR相模線上溝駅から徒歩3分の場所にある、地元に愛されている和菓子店です。

杉山本店

和菓子の最難関・選和菓子職の資格を持つ、腕の確かな職人による和菓子が店頭に並び、その味を求めて多くの人が訪れています。

杉山本店

掌に納まる小鉢のような入れ物にたっぷりと盛られたきな粉。コンパクトな容器から現れたのは、大ぶりのしっかりとした6つのわらび餅。「杉山 本店」のわらび餅はシンプルにきな粉だけで味わいます。

その理由は黒蜜をかけてしまうと黒糖の甘さが勝り、せっかくのわらび餅の味がわかりにくくなるからで、ちょうどいい甘さと香ばしいきな粉の組み合わせは絶妙!

ふるふると口の中で柔らかく瑞々しく、弾力はあるけれど軽い後味。言うなれば素朴な和菓子。食べれば今まで食べたことのあるわらび餅との違いが感じられるはず。

賞味期限は当日となっていて大量には作れないため、早い日には午前中で売り切れになることも。確実に味わいたい人は予約がおススメです。

2.どら焼きはしっとりとした生地に北海道産の小豆がたっぷり

杉山本店どら焼き 160円(税込)

「杉山 本店」のどら焼きは、しっとり、ねっとりとした薄い生地に北海道の高級ブランドとして知られる「豊祝」でつくったあんこを挟んであります。

杉山本店

「昔ながらの本格的などら焼き」にこだわった「杉山 本店」のどら焼きの印象は上品な味。

柔らかさと甘さを計算して焼き上げた皮に、芯のあるはっきりした甘みを感じながらも、後味はあっさりとした絶妙なバランス。量もちょうどいいので、満腹感よりも、味の満足感が引き立ちます。

「お土産に」と包んでいただくと、そこに木の包み紙。こういう古き良き日本のものが当たり前にあるって嬉しいですよね。手土産にしたら喜ぶ顔が見られそうですね。

3.上生菓子に麴から仕込む酒饅頭、草餅、期間限定の和菓子

杉山本店上生菓子 270円(税込)

目で楽しめる上生菓子も、春の時期は豊富に並び華やかです。

2月には香りのよい青森産の蓬(よもぎ)を使った草餅、柏餅が終われば麹を発酵させるところから始まる酒饅頭も評判のお菓子。 特に「ここの草餅以外買わない。」というファンもいるほどの人気ぶりです。

杉山本店

杉山本店きんつば 170円(税込)

また、あんこ好きにぜひ食べてみて!と教えたくなるのがきんつば。

杉山本店

甘さ控えめで上質な小豆のおいしさを純粋に楽しめます。

甘さと同じくらい控えめな気持ちも感じられて「杉山 本店」は本当に隠れた名店。口にすればきっと、おいしいから教えたくなる、そんなお気に入りのお店になりそうです。

取材・文:都野雅子