- 1.酸味のあるパイナップルのさわやかな甘さが引き立つ期間限定「パイナップル大福」
- 2.ナッツの香ばしさに包まれた「ナッツのおはぎ」
- 3.まる・さんかく・しかく。素朴で素直な味が楽しい「どらまる」「さんかくうち」「もなかく」
- 4.心がきゅんとする和菓子がいっぱい! 大人気の和菓子店
- 5.「ご近所さんがしょっちゅう来てくれるのが一番嬉しい」夫婦が考えるスタイル
神奈川県・横浜市金沢区。日本最古の武家の文庫といわれる「金沢文庫」を駅名にしたこの町に、ひっきりなしにお客さんが訪れる和菓子屋さんがあります。
真っ白な壁に真っ白なのれん。一見、洋菓子店のようにも見えるその店の名は「たんの和菓子店」。
食べたらきっとファンになる、そんな和菓子がここにありました。
1.酸味のあるパイナップルのさわやかな甘さが引き立つ期間限定「パイナップル大福」
パイナップル大福 290円(税込) ※期間限定商品(今季は販売終了)
店の入り口にも書かれていたこの季節のお楽しみ、「パイナップル大福」。ころんとしたまんまるの大福の上から鮮やかなイエローがのぞいています。
店内には中身を割った見本があり、乾燥防止のガラスドームを開けると漂う甘酸っぱいパイナップルの香り。土日限定の商品とあって訪れる人のほとんどが購入していく人気ぶりとのこと。
皮に使われているもち米の甘さもよく、白あんとみずみずしいパイナップルのさわやかな酸味が一体となって口いっぱいに広がります。
もち米のみを使用しているため、当日のみのお楽しみとなります。
9月からは「キウイ大福」が登場。こちらも目が離せませんね。
2.ナッツの香ばしさに包まれた「ナッツのおはぎ」
ナッツのおはぎ 280円(税込)
通年でよく売れているのが「ナッツのおはぎ」。変わり種のおはぎですが、アーモンドとクルミをまぶした白あんで包んでいます。
このアーモンドとクルミが香ばしく、トッピングにはピスタチオと、異なるナッツのおいしさが調和しています。ここにクランベリーが足されているのがまさに絶妙。濃厚なナッツの風味に一点、クランベリーの酸味が加わることで後味も軽くなり、ついつい次々と手を伸ばすハメになりそう。
中身は粒が残るギリギリの固さのもち米なのでおなかも満足な一品です。
3.まる・さんかく・しかく。素朴で素直な味が楽しい「どらまる」「さんかくうち」「もなかく」
まる・さんかく・しかく。シンプルな形をシンプルに和菓子にしたのが「どらまる」「さんかくうち」「もなかく」。
禅の有名な書から生まれた和菓子です。
どらまる 210円(税込)
「どらまる」はしっとりした生地と粒あんがちょうどいいどら焼きで大きさもちょうどいい大きさ。全部がちょうどいいバランスです。
さんかくうち 210円(税込)
「さんかくうち」はアーモンドが入った落雁。甘すぎず、香ばしいのでコーヒーとの相性もぴったり。
もなかく 210円(税込)
「もなかく」はくるみがたっぷりと入っている白あんの最中で、こちらもその大きさ、量ともにちょうどいいサイズ。
この素朴ともシンプルともいえる和菓子ですが、「どらまる」は1人で、「さんかくうち」は3個入りなので3人で、そして「もなかく」は切れ目で割れば4人で食べられることに気が付いて思わず「考えているなぁ」と笑ってしまいました。
1人でも、友人とも、そして家族でちょうどいいまる・さんかく・しかく。
手土産にもいいですね。
4.心がきゅんとする和菓子がいっぱい! 大人気の和菓子店
ショーケースに並ぶ上生菓子の数々。どれもころんとしていて可愛らしいのと色合いも淡いものが多いので、見ているだけでも楽しくなってきます。
「たんの和菓子店」の和菓子は、そう、とってもかわいい。昔ながらの和菓子を「たんの和菓子店」風に全てアレンジしているのがわかります。
「うちは老舗とかではなく私たちが始めたお店なので自由にできるんです」そう話してくれたのは丹野さんご夫婦。
20年以上も和菓子つくりに携わり、職人かたぎでいながら女性ならではの奥さまの感性も取り入れる、そんな柔軟さも魅力です。
月鈴子(げつれいし)280円(税込)
黄味しぐれ 190円(税込)
可愛らしくてスタイリッシュ。昔からある和菓子なのに新しい。そのため、お客さまにも若い人が多いと言います。
ショーケースもリニューアルされておしゃれな雰囲気。対面式のカウンターの高さも低いので、女性の方やお子さまも見やすいので気軽に選べるのも嬉しいですね。
5.「ご近所さんがしょっちゅう来てくれるのが一番嬉しい」夫婦が考えるスタイル
丹野さんは横須賀にある老舗和菓子店「和菓子司いづみや」で20年前から修業。奥さまのひかりさんともそこで出会いました。そして10年前に横浜市釜利谷で「たんの和菓子店」を開業。
夫婦二人三脚で店を切り盛りしています。
今から2年前に老朽化から移転先を探している時にいろんなご縁から現在の場所で開店。大きな通りに面しているお店ですが、開店を待ち構えたかのようにお客さんがお目当ての菓子を買い求めに訪れます。
その時、お客さんとひと言ふた言、会話をするのですが、お名前で話しかけているからなのか、アットホームな空気が漂います。
「私たちがやっていきたいのは、地域のお客さまに気軽に立ち寄ってもらえるお店なんです」
「たんの和菓子店」に並ぶお菓子はほとんどが作りたてで、なくなったら閉店となっています。お店を増やしたり、大きくするのではなく、しっかりと納得のいくおいしいものを丁寧に作っていきたい。
そんな気持ちから生まれた和菓子を親しんで食べてもらえたら。
ここでしか買えない和菓子が待っています。ぜひ、一度出かけてみてはいかがでしょうか。
取材・文:都野雅子