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【御菓子司 清月】江戸時代の人気和菓子が現代に復活! かながわ名産100選にも選ばれた鶴見銘菓「よねまんじゅう」

さとちん

江戸時代、東海道を行く旅人がひと休みするお茶屋が多くあった鶴見で、旅人の疲れを癒やしてきたよねまんじゅう。鉄道の開通とともに一度は姿を消しましたが、「御菓子司 清月(おんかしつかさ せいげつ)」が、「よねまんじゅう」を現代に復活させました。伝統と現代が融合した、新しいよねまんじゅうを紹介します。

1.鶴見駅の目の前! 明治43年創業の「御菓子司 清月」

JR鶴見駅東口、もしくは京急鶴見駅から徒歩2分。第一京浜へと向かう東口中央通りに面した「御菓子司 清月」。明治43(1910)年創業の老舗和菓子店です。現在の当主田村幹夫さんは四代目となります。

お店の入り口では幹夫さんのお母さまが気持ち良さそうにうたた寝をしていて、なんともほっこりと心温まる風景。小学生がお小遣いを握りしめて、お菓子を買いに来ることも多いとか。

鶴見の町に溶け込んでいるお店です。

近所に住む95歳の方が作った折り紙のプレゼントもあり

2.江戸時代の人気銘菓「よねまんじゅう」

江戸時代、東海道の川崎宿と神奈川宿の間にある鶴見は、立場(休憩所)として賑わい、40軒ほどのお茶屋さんがありました。そこで好んで食べられていたのが、お餅を使ったシンプルなよねまんじゅうです。民謡「お江戸日本橋」中でも歌われている人気銘菓でした。

ところが明治5年(1872年)に鉄道が開通すると、人通りも少なくなりお茶屋とよねまんじゅうは姿を消してしまいました。「御菓子司 清月」の三代目当主田村ひろじさんが、昭和57(1982)年、鶴見菓子商工業協同組合の30周年記念事業としてよねまんじゅうを復活させました。

こしあん・白あん・梅あん 各90円/1個

江戸時代は塩あんが入った大福のような形をしていましたが、砂糖を加えたあんを、食べやすいよう小さな俵型へと改良。伝統的なお菓子でありながら、今の流行を取り入れた新しいよねまんじゅうの誕生です。

もち米粉を使った羽二重餅はふんわりとやわらかく、中のあんこは、こしあん・白あん・梅あんの3種類。甘さは控えめで小ぶりなサイズのため、いくらでも食べられそうです。

1個90円という手ごろな値段もありがたいですね。小学生が1個だけ買っていくこともあるそうですよ。1週間ほど日持ちするのでお土産にもお勧め!

3.買えるのは今だけ? 朝ドラコラボの黒糖饅頭

現在放送中のNHKの朝ドラ『ちむどんどん』の舞台が鶴見ということで、鶴見の町にはさまざまなコラボ商品が並んでいます。こちらのお店でもヒロインが沖縄出身ということで、沖縄波照間島の黒糖を使用した「鶴の黒糖まんじゅう」を販売しています。

お饅頭の上には、かわいい鶴の焼き印。

コクと独特な風味のある黒糖の甘さは、白砂糖のすっきりした甘さとは違い、力強さを感じます。食べると元気がもらえそう。

期間限定のカラフルな包装紙もとってもかわいい!

「鶴の黒糖まんじゅう」の販売とカラフルな包装紙は、朝ドラ『ちむどんどん』放送期間中だけとのことなので、気になる人は早めに出かけてくださいね。

4.和菓子? 洋菓子? 現代の流行を取り入れたお菓子たち

御目出鯛 480円/1個

江戸時代の銘菓を販売というと、他のお菓子も昔ながらのものが多いのではと思ってしまいそうですが、洋菓子のテイストを取り入れた現代風のお菓子も多くつくられています。

「御目出鯛(おめでたい)」は中に栗の入った鯛の形をしたお菓子。なんと生地にはフランスの発酵バター、イズニーが使われています。

「焼き栗ショコラ」(170円)は、大粒の栗を、クーベルチュールチョコレートを使用した生地で包んだ、ラム酒が香る大人のお菓子。温めるとおいしさがさらにアップ! 男性へのプレゼントに喜ばれそうです。

つるみ最中の皮

もちろん、伝統的な和菓子も手を抜いていません。「つるみ最中」の香ばしい最中の皮には、鶴見の鶴の姿が浮き出ています。

かながわ名産100選にも選ばれたよねまんじゅうはもとより、その他のお菓子も魅力たっぷり。朝ドラの影響もあり、今話題の鶴見。遊びに来たら、ぜひお土産に買って帰ってくださいね。

※情報は記事執筆時点のものとなります。価格は購入前にご確認ください。

取材・文:さとちん