1.70年以上続く老舗和菓子店
昭和21年(1941年)創業の『もみぢ菓子司舗』。JR桜木町駅からは徒歩7分ほど、昭和レトロなグルメスポットとして最近注目されている、野毛町にある老舗和菓子店です。
現在は初代店主の元で職人として働いていた西村さんと古瀬さんが二代目としてお店を引き継ぎ、創業当時と変わらない定番の和菓子を製造販売しています。
500近いお店が集まっている野毛には老舗料亭などもあり、風情のある街並みとなっていますが、『もみぢ菓子司舗』はそこだけ昭和で時が止まっているような外観。映画から抜け出してきたようです。
地元の人に愛されているのが、お店のガラス戸に貼ってある近くの小学生が描いたポスターから伝わってきます。取材中もご近所さんと思われる男性がお団子を買いに来ていました。
お店に入ると迎えてくれる優しい笑顔に思わず「ただいま!」と言いたくなります。初めてなのに、なぜか懐かしく感じることでしょう。
2.神奈川県指定銘菓の「大銅鑼焼き(おおどらやき)」
大銅鑼焼き 390円(税込)
『もみぢ菓子司舗』の名物ともいえるのが大きな銅鑼を模った「大銅鑼焼き」。創業から2年後の昭和43年に、当時横浜を代表するお菓子がなかったことから、なにか横浜らしいものをと考えた初代が、横浜→港→船→銅鑼と連想し、大きな銅鑼の形をした銅鑼焼きを作りました。
もちろん味にもこだわりがあります。黒あんは兵庫県の丹波大納言、白あんは北海道の大福豆と国産の素材を使用して、お店の裏で朝の7時からすべて手作りしています。ふわふわの生地にはたっぷりのあんが挟んであって食べ応えあり!
いまや日本全国から注文が入る横浜を代表するお菓子の一つとなりました。
3.時代を越えて愛されている伝統的な和菓子
『もみぢ菓子司舗』のショーケースの中に並ぶのは、茶饅頭、上用饅頭、黄身しぐれなど、創業当時から70年以上変わらない定番の和菓子です。
丁寧に、本当に丁寧に、愛情をこめて作られている和菓子たち。最中は皮のパリパリ感が長持ちするよう、注文を受けてから一つひとつあんこをつめています。
きんつば 170円(税込)
もちっとした食感の「きんつば」は丹波大納言100%の贅沢品。ふっくらとした粒あんの旨味を堪能できます。甘さは控えめ、あっさりとしていながらも、しっかりと小豆の味が感じられます。
くず桜 170円(税込)
春は草餅や桜餅、秋はおはぎに栗蒸し羊羹など、和菓子は季節を感じられるのが良いですよね。取材に訪れた7月は夏の和菓子が並んでいました。
ぷるぷると揺れる透明感のある「くず桜」は見た目も涼やか。塩漬けの桜の葉がこしあんの甘さを引き立てます。ちょっと濃い目の日本茶といただきたいですね。
あん団子・みたらし団子 各170円(税込)
気軽に1本から購入でき、食べ歩きにも便利なお団子が今ちょっとブームなのだとか。横浜でも有数の繁華街でハシゴ酒する人が多い野毛では、箸休めやシメにちょうどよいらしく、お団子を買っていく若い人が増えていると嬉しそうに話してくださいました。
なぜか男性はあん団子、女性はみたらし団子が人気とのこと。最近はシメパフェブームともいわれていますが、野毛はシメ団子が定番となるかもしれませんね。お土産にもピッタリですよ。
かわいいもみじの包装紙
取材・文:さとちん