平塚

【黒糖茶房】黒糖のおいしさを知って欲しい。夫婦で営む日本初の沖縄純黒糖専門和カフェ

都野 雅子

沖縄で食べた黒糖のおいしさ。その味を知れば知るほど好きになり、黒糖に特化したお店を開きたい。
茅ヶ崎にある「黒糖茶房」は大森さん夫婦がそんな想いから2012年に始めたお店です。

ほとんどのメニューに黒糖が使われており、黒糖を使っていない一部のドリンクにも黒糖が添えられているので、何を注文しても黒糖が楽しめます。

1.沖縄産の純黒糖は全部で8種類。その年によっても風味が変わる!

沖縄純黒糖8島食べ比べ 450円(税込)

「黒糖茶房」で扱っているのは純黒糖。純黒糖はサトウキビのしぼり汁のみを煮詰めてつくられているもので、その他、糖蜜など加えたものを加工黒糖といいます。

たくさんあるようなイメージがありますが、沖縄で純黒糖がつくられているのは8島のみ。材料は同じサトウキビですが8島それぞれ風味が違い、食べ比べができるのが「沖縄純黒糖8島食べ比べ」です。

黒糖の風味は育つ土壌によって異なる以外に、その年の天気も加わることで、まるでワインのように去年と今年で変わってくるそう。
純黒糖は味の違いを詳しく書いた紙と一緒に運ばれてきます。その内容の通り、後味がしょっぱいものや固めの食感のものなど、比べれば違いがわかります。

2.黒糖の蜜に黒糖ゼリー。甘さが邪魔しない不思議な足し算

黒糖ゼリーぜんざい 720円(税込)

黒糖の味をシンプルに味わうなら黒糖ゼリーもおススメ。黒糖ゼリーぜんざいは、黒糖ゼリー、黒糖あん、きなこを加えたホイップクリームと、異なる甘さが一皿に乗ったメニューです。

風味豊かな黒糖ゼリーのつるんとした食感に、小豆の味がわかる黒糖あん。これだけで十分満足なおいしさですが、黒糖の蜜を足すと甘さが増すというよりうま味が増します。

この黒糖の蜜もすべて自家製。
「黒糖を余らせてしまう時は蜜にすると、飲み物や料理にも使えるのでおススメですよ」と教えてくれました。

つくり方ですが、おおよそ黒糖と同じ量の水で煮るだけ。しかし、煮詰まると固まってしまうので火加減と時間には気を配る必要があります。

3.人気のモーニングメニュー「黒糖あんトースト」

黒糖あんトースト(きなこホイップ付) 650円(税込)

「黒糖茶房」で大人気のモーニングメニューが「黒糖あんトースト」。パンの生地にも黒糖が使われています。このパンは数店食べ比べた中でおいしいと思ったベーカリーにお願いして特別に焼いてもらっています。

パン自体にもまろやかな甘みがあり美味。黒糖あんときなこホイップをつけて食べれば文句なしのおいしさ!

モーニングには「黒糖カレートースト」や「ごぼうとおからのホットサンド」などもあります。

4.黒糖嫌いで甘いものも苦手。そんな夫婦をとりこにした黒糖の魅力

大森さん夫妻がこの純黒糖に出合ったのは今から13,4年前のこと。元々は黒糖も甘いものも苦手だったそう。

旅行で沖縄に行き、初めてつくりたての純黒糖を口にした時、その豊かな味に驚いたといいます。
「できたてはちょうど粘土みたいに柔らかくって、本当にびっくりするほどおいしいですよ」
この純黒糖との出合いがきっかけとなって黒糖をメインとしたカフェを開くことに決めたそうです。

今も全ての島に足を運ぶことはできなくても年に一度は沖縄に行き、仕入れ先を訪れています。

100近いメニューがありますが、常に新メニューを考案することに余念がありません。
夏にはかき氷の注文も増えるので、黒糖蜜も通常より多めに作るようになります。

また、店内でさまざまな黒糖も販売。
常連のお客さまも多く、通っているうちに好みの黒糖を買って帰る人も。余ったら先ほど教わった蜜をつくれば料理にも使えます。

実際、ランチメニューにはこの黒糖蜜を使った生姜焼きやカレーもあります。

「黒糖はミネラルが豊富なのでスポーツをしている人にもいいですよ」とのこと。
スポーツの秋にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

取材・文:都野雅子