こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。
今日のおやつ「栗蒸し羊羹」
だんだんと秋らしさを感じるようになってきました。夏の終わりごろから和菓子屋さんにもだんだんと栗の商品が並び始め、季節の流れを感じると同時に、今年の終わりも感じるようになり、少しさみしい気持ちになります。しかし! さみしがっていてはせっかくの秋がもったいない! 秋といえば食欲の秋! そして、やっぱり食べたくなるのが栗です。
そんなわけで、今日のおやつに選んだのは栗蒸し羊羹。毎年楽しみにしている栗のお菓子です。というのも、私の育った九州ではあまり見かけることがなく、初めて食べた時に羊羹のもっちりとした食感に衝撃を受けました。
今回お取り寄せしたのは栗蒸し羊羹の元祖のお店、千葉の成田にある「米分(よねぶん)」の「栗蒸ようかん」。「栗蒸ようかん」が生まれたのは大正時代。もともと成田山の精進料理として振る舞われていた蒸し羊羹に米分の初代が栗を入れたことによって生まれました。
「栗蒸ようかん」はかわいい袋に入っています。持っただけで感じるずっしり感!!
羊羹には栗の甘が並んでいます。小豆の薄紫と栗の黄色のかわいい色合いがたまりません。
栗が真ん中に来るようにぜいたくに大きく切ります。
どどーん! と存在感があります。横から見ると結構な厚みがあり、栗もとても大きいです!!!
むっちり食感がたまりません……! こんなに弾力のあるむっちり感は今まで食べた栗蒸し羊羹でもなかなかありません。この食感を探し求めていたんだ……!! 会いたかったよ! とついつい羊羹に話しかけてしまいました。
食いしん坊な私のための食欲の秋! 和菓子はもちろんのこと、色んな旬を思う存分楽しみたいと思います。
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<今日のおやつ>
米分 「栗蒸ようかん」
1本 700円(税込)
文:せせなおこ