「菓匠右門」は、地元川越と大宮駅に直営店舗を展開する和菓子店。埼玉銘菓「いも恋」をはじめ、魅力的なお菓子をつくり続けています。
今回まず最初に訪れたのは右門ルミネ川越店。川越市内では右門の全商品を扱う唯一の店舗です。
のれんをくぐると温かな照明の下、毎朝つくり立ての生菓子や四季折々の美しい和菓子が並び、ほっとする空間が広がります。
スタッフの寺嶋さんにお話を伺い、おすすめ商品を紹介していただきました。
1.代表的な川越土産となった看板商品「いも恋」
いも恋1個180円 5個入り900円(税込)
「いも恋」は、さつまいもの輪切りと北海道産の小豆を使った粒あんを山芋ともち米の生地で包んだおまんじゅう。定番となった「川越食べ歩きグルメ」の先駆けとなったお菓子です。
今や有名となったいも恋ですが、1996年に誕生してからしばらくは売り上げ好調とはならなったそう。検討を重ねた末、店頭に蒸し器を置き、すぐ食べられる状態で販売を開始したそうです。
蒸し器から上がる湯気を見つけたお客さんが「あれはなんだろう?」と、中を覗き込み、つい買いたくなる。おいしさと人気が徐々に口コミで広がり、現在の知名度につながったのではないかと、寺嶋さんは話します。
私も「いも恋」を買ってみました。ほかほか温かく、手のひらサイズで、食べ歩きにぴったりです。
ほんのり塩味がきいたもっちりとした皮に包まれ、さつまいもと粒あんの甘さがバランスよく絶妙! 食べごたえがあり、小腹が空いたときやおやつに食べたくなります。
お土産用の日持ちは、冷蔵販売だと購入日から5日、冷凍販売は製造日から90日ほど。用途に合わせて購入できます。
2.さつまいものおいしさを凝縮したスイートポテト「芋ぽて」
芋ぽて1個170円 8個入り1,540円(税込)
「いも恋」に続く人気商品が「芋ぽて」です。「いも恋」を購入したお客さんから「ほかには何があるのかしら」と、聞かれた際にもお薦めしているそう。
裏ごしされたさつまいもにバター、卵、クリーム、砂糖を混ぜた円筒形のスイートポテトで、保存料・添加物は不使用。さつまいもの風味や甘みがしっかりと凝縮されています。
常温でも十分おいしいですが、冷蔵庫で冷やして食べるとさらにしっとり。「いも恋」のような食べ歩きスタイルではなく、お茶に添えてじっくり味わいたいお菓子です。
3.菓子屋横丁店限定! できたての「川越わらび餅」
「右門菓子屋横丁店」限定の「川越わらび餅」もおすすめです。併設の工房で練られた、つくりたてのわらび餅がいただけます。
食べ歩き用があると知り、さっそくいただきました。わらび餅にたっぷりときな粉をまぶし、一口サイズで販売しています。
わらび餅には貴重な本わらび粉を使用しており、口の中でつるつる、ぷるんと弾けます。柔らかく心地よい風味に包まれ、喉を通るまで上品で涼やかな食感が楽しめました。
川越わらび餅200円(税込)
きな粉は砂糖不使用で色や味が濃く、本来の風味が際立つようつくられています。
持ち帰り用は小(350円)・中(550円)・大(1,000円)の3サイズで販売しており、お土産にもできます。
4.店舗限定の川越グルメが楽しめる!
右門一番街店
右門の店舗は川越観光の中心となる一番街周辺に4店。先に紹介した「菓子屋横丁店」の「川越わらび餅」をはじめ、各店に限定商品を置いているのが特徴です。
「一番街店」の奥には食事ができる「浪漫茶房 右門」を併設。趣ある古民家造りの店内では、醤油だれの芋おこわが付いた「本丸御膳(1,600円)」などがいただけます。おこわはパック詰めにして持ち帰りも可能です。
右門時の鐘店
川越のシンボル「時の鐘」近くの「時の鐘店」では、ソフトクリームにハート型の最中皮を乗せた「お芋のソフトクリーム(350円)」を販売。心を掴む見た目で、インスタ映えにもなると話題を集めています。
私が訪れた時も、修学旅行生が時の鐘を背景にソフトクリームの写真を撮っていました。川越の思い出になりそうですね。
ほかにも、「川越けんぴ工房直売店」では揚げたての芋けんぴを限定販売するなど、どの店舗でも新鮮な気持ちで楽しめ、出来たての商品を満喫できるのが魅力です。
いも恋や芋けんぴなど、さつまいもグルメを食べ歩くのが川越観光の醍醐味。川越を訪れた際はぜひ、右門へ立ち寄ってみてくださいね。
取材・文:中村仁菜