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【まるさんかじつ】わらび餅と完熟フルーツのときめく出合い! 茨城・鹿嶋の老舗和菓子店が手掛ける新ブランド

笹木理恵

江戸時代より茨城・鹿島神宮の参道に店を構え、2022年に創業200周年を迎える「丸三老舗」。近年はフルーツ大福でも人気の老舗が2021年4月に立ち上げた新ブランドが、フルーツわらび餅専門店「まるさんかじつ」。ぷるんとなめらかな口どけのわらび餅と、上品な甘さの白あんに包まれているのは、完熟にこだわった極上のフルーツ。店主自ら産地に赴いて仕入れており、甘みや香りのよさが格別です。

1.鹿島神宮の参道で約200年。「丸三老舗」が手掛ける新ブランド

閑静な住宅街が広がる、京王井の頭線・永福町駅。駅からほど近い場所に2021年4月にオープンしたのが、フルーツわらび餅の専門店「まるさんかじつ」です。

同店を手掛けるのは、文政5(1822)年に創業し、鹿島神宮の参道に店を構える老舗和菓子店「丸三老舗」。七代目店主・笹沼和彦さんは、老舗の技術を礎に、時代に合わせた新しい和菓子を提案。生産者から直接仕入れる最高級フルーツを用いた「極大福」シリーズは、オンラインショップや百貨店の催事などを中心に、大人気の商品となっています。

今回、新ブランドを立ち上げて東京進出した背景には、コロナ禍で鹿島神宮への観光客が減少したため、現地を訪れることができない人にもお菓子を知ってもらいたいとの思いもあるそうです。

2.甘みや香りが秀逸! 産直で仕入れる「樹上完熟」のフルーツ

「まるさんかじつ」のコンセプトは、「ひとくちで、こころ躍るときめき」。季節のフルーツを使い、彩り豊かで目にもかわいらしいフルーツわらび餅を展開しています。大福に比べるとぷるんと口当たりのよいわらび餅と、ほどよい甘さの白あんが、フルーツそのものの味をより引き立ててくれます。

地元のいちご生産者の一つ、うさみ園さん
※画像提供/まるさんかじつ

最大のこだわりは、生産者から直接仕入れる旬のフルーツ。「フルーツが本当においしくなるタイミングまで待って、いい状態で販売するのがこだわりです」と笹沼さん。一般的に流通しているフルーツは、日持ちさせるために少し早い段階で収穫することが多いのですが、「まるさんかじつ」で使用するのは、完熟するのを待ってから収穫する「樹上完熟」のフルーツが中心。店主自ら生産者のもとへ足を運び、納得した素材だけを仕入れているので「フルーツの味そのものが他とは違う」と、お客さんからも好評なのだそうです。

商品ラインナップは常時5~8品で、仕入れる素材によって品揃えは異なります。一番人気のイチゴは1月中旬~4月の販売ということで今回は出会えませんでしたが、この時期のイチオシは「マスカット」(450円)。大粒のものだけを厳選したシャインマスカットは、弾ける果汁と濃厚な甘み、高貴な香りと白あんのハーモニーがぜいたくな味わいです。

3.人気イタリアンとのコラボ商品も!

ユニークな商品では、「ポモドーロ」(500円)もオススメです。お店の向かいにある人気イタリアン「ラ・ピッコラ・ターヴォラ」とのコラボ商品で、わらび餅の中身は、なんとトマト! 「OSMICトマトpremium」という高糖度トマトに合うオリーブオイルを選び、フレッシュバジルで包んだ商品。フルーツのような甘みのトマトと爽やかなバジル、オリーブオイルのハーモニーが楽しめます。

また、定番として常に販売しているのが「和栗」(450円)。収穫量日本一の茨城県産の和栗や、時期によっては九州産などの味の濃い和栗を使った栗あんは、ほろほろっとした口当たりで、豊かな和栗の風味が口いっぱいに広がります。仕上げにきな粉をふるとより香ばしさがアップして、二度おいしい!

福島産の洋梨「マルグリットマーリア」を使った「洋梨」(400円)は、果汁たっぷりでジューシー、とろけるような食感と香りのよさが特徴。スーパーではあまりお目にかかれないフルーツに出会えるのも専門店ならではの魅力です。

「丸三老舗」のある茨城県は、イチゴのほかにもメロンやブルーベリー、桃、柑橘類などさまざまなフルーツに恵まれた土地。地元の農家さんを中心に、石垣島のピーチパインや島バナナといったこだわりの素材も仕入れており、生産者の情報をプライスカードに明記しています。一部商品は、オンラインショップで事前予約や地方発送を受け付けているので、遠方の方や確実に入手したい方は、ぜひ利用してみてくださいね。

取材・文:笹木理恵