こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。
今回選んだのは広島、御菓子所 高木の「鶴亀もなか」。今まで食べた最中の中でも特にお気に入りの最中で、期間限定の栗の最中を見つけ、ぜひもっと多くの人に食べてほしい! と選びました。鶴亀もなかが生まれたのは1955年ごろ。約70年にわたり愛されている最中です。
包装紙がとってもかわいくてギフトにもピッタリ! 最中の種類は3種類、定番のあずき(赤)、抹茶(緑)に加え、期間限定の栗(黄色)が入っています。ちなみに栗あんは11月末まで、その後は酒あんが登場するのだそう。こちらもとても楽しみです。
御菓子所高木は戦前、ぜんざいなどの甘味を取り扱う和風喫茶だったんだそう。菓子製造が始まったのは戦後のこと。原爆ドームから近く、被害が甚大だったことから、「戦後・被ばく復興途上の広島に慶ばしいお菓子を」という想いで誕生したのが「鶴亀もなか」です。
最中の誕生と共に生まれたのが、縁起のいい鶴と亀の字をあしらった「鶴亀マーク」。最中のパッケージはもちろん、お店のロゴにもなっていて、手提げ袋やお店の暖簾にも描かれています。
まずは定番のつぶあん。大粒の大納言小豆のあんこがぎっしりと詰まっています。サクサクの最中の皮と芳醇な小豆の香り。お腹にも心にも染みわたるおいしさです……!
そして、抹茶。濃厚な抹茶あんは色も鮮やか。抹茶のほろ苦さと甘みのバランスがちょうどいいです。
高木の最中で私がすごいと思っているのがこの最中の皮(最中種)。広島県産のもち米でつくられているのですが、お米の甘さ、香ばしさが本当にすごいんです!!
最後に紹介するのは期間限定の栗。白あんの中に刻んだ栗が入っています。とてももったりとなめらかなあんこ。カフェラテやミルクティー、ミルクでほっこりする飲み物との相性も良さそうです。
11月になり、いよいよ秋本番。そして冬の足音も少しずつ聞こえてきました。温かい飲み物、そして和菓子と穏やかなひとときを過ごせるおいしい季節です。寒くなるので心身ともに健やかにお過ごしください。
文:せせなおこ