日本の伝統的な和菓子「落雁(らくがん)」。仏様のお供え物や茶道でのお茶菓子といった、ちょっと特別なイメージのあったお菓子でしたが、最近はカラフルな色合いやおしゃれな形の落雁もあり、インスタグラムを中心にSNSで人気が出ています。同じような砂糖菓子に「和三盆(わさんぼん)」があり、こちらも注目されています。
今回は落雁と和三盆の違いとその魅力について、また、一度は食べてみたい話題の落雁・和三盆を紹介します。
- 1.【森八】日本三名菓のひとつ「長生殿」
- 2.【UCHU wagashi】ふんわりバラの香りが広がる「ochobo rose」
- 3.【和菓子屋 悠】目と舌が喜ぶ甘い花束「百花繚乱 花舞」
- 4.【双松庵唯七】栗と小豆の絶妙なハーモニー「献上落雁」
- 5.【菓游 茜庵】和三盆糖のやさしい甘さ「丸わさんぼん」
- 6.【石谷精華堂】カカオ香る不思議なお砂糖「しょこら和さんぼん」
- 7.【三谷製糖羽根さぬき本舗】四季の花々をかたどったカラフルな「四季の華」
落雁と和三盆の違い
「落雁」は、もち米や麦などを粉にした微塵粉(みじんこ)と呼ばれる穀粉を、砂糖や水あめと一緒に練って、木の型で固めた日本の伝統和菓子です。
一方、「和三盆」は、竹糖(ちくとう)という種類のサトウキビから精製されるお砂糖のことをいい、和三盆、もしくは和三盆糖と呼ばれています。お菓子の和三盆は、和三盆糖だけを固めたものです。
和三盆糖は香川県や徳島県の一部でつくられ、香川県の和三盆糖は「讃岐和三盆」、徳島県の和三盆糖は「阿波和三盆」と区別されています。どちらも高級国産砂糖で、上質な落雁には和三盆糖が使われることが多いです。
【森八】日本三名菓のひとつ「長生殿」
長生殿 4枚入り 1,080円 (税込)~
創業は寛永2年、400年近い歴史を持つ金沢の老舗和菓子店「森八(もりはち)」。長生殿(ちょうせいでん)は加賀藩三代藩主前田利常公の命により、森八三代目当主森下屋八左衛門が 創り出した落雁で、日本三大銘菓の一つに数えられています。
徳島の阿波和三盆糖に北陸産のもち米粉を合わせ、昔ながらの製法でつくる落雁は、落雁の最高峰とも言われています。400年近く変わらない伝統の味、一度は味わってみたいですね。
【UCHU wagashi】ふんわりバラの香りが広がる「ochobo rose」
ochobo rose 1,180円(税込)
“人をわくわくさせたり、しあわせにする和菓子”をテーマとしたお菓子づくりをしている、京都の新しい和菓子店「UCHU wagashi(うちゅうわがし)」。動物や雲など、かわいい形やカラフルな色合いの落雁をつくっています。
一口サイズの小さな落雁は、ほんのちょっと甘いものが欲しい時にもピッタリ!
味や香りもバラエティーに富んでいます。「ochobo rose」は、天然のバラの花びらをパウダーにして使用しているので、口の中にふんわり優しいバラの香りが広がります。
秋はリス、冬はシロクマ、春は小鳥と、季節の落雁も、とってもキュート! オンラインショップは要チェックです。
【和菓子屋 悠】目と舌が喜ぶ甘い花束「百花繚乱 花舞」
和三盆花落雁 百花繚乱 花舞 3,780円(税込)
「和菓子屋 悠(わがしや ゆう)」は鳥取県鳥取市に2005年にOPENした小さなお店。花の形をできる限り精密に表現した花落雁は見た目も華やか。贈答用としても、よく利用されています。
写真の「和三盆花落雁 百花繚乱 花舞(はなまい)」は桐箱入りで、中はまるで花畑のよう! 年齢を問わずいろんな方に喜ばれ、贈る人のセンスが光る商品ですよね。
優しい甘さの和三盆を使った落雁は、口の中で雪のようにスーッと溶けていきます。そのまま食べてもおいしいですが、濃いめに入れた紅茶に浮かべて飲むのもオススメ。カップの中ではかなげに溶けていく様子を楽しんだ後、ほんのり甘い紅茶にほっこり。心癒やされるひと時が過ごせます。
【双松庵唯七】栗と小豆の絶妙なハーモニー「献上落雁」
献上落雁 6個入り 1,554円(税込)
南信州産の素材を生かした上質な和菓子をつくり続けている「双松庵唯七(そうしょうあんただしち)」。
「献上落雁」は、和三盆糖と味甚粉(みじんこ)に、南信州産和栗の栗きんとんと、北海道十勝産小豆の小豆餡を包んだ落雁。
木型を使い絶妙な力加減で打ち上げ、仕上げにさっくりと蒸し上げる。
南信州飯田地方に古くから伝わる製法を守り、熟練の職人が手作業で製造しているとのこと。
栗と小豆と和三盆の組み合わせは甘そうに思えますが、口どけの良い上品な甘みの和三盆は、栗きんとんと小豆との相性も良く、一度贈り物としていただいてからは、自分で購入するようになったという人も多い商品です。
【菓游 茜庵】和三盆糖のやさしい甘さ「丸わさんぼん」
丸わさんぼん 410円(税込)~
和三盆糖の産地、徳島県にある「菓游 茜庵(かゆう あかねあん)」。まろやかでやわらかい甘さの和三盆糖を、職人が一つひとつ丁寧に丸く仕上げていきます。
和三盆は白いものほど上質といわれ、まるで花嫁さんの綿帽子のように真っ白な丸わさんぼんは、特に希少な和三盆が使われているということがわかります。
口の中に入れると、まるで淡雪のように溶けていく、口どけのやさしい丸わさんぼん。日本茶だけでなく、コーヒーや紅茶ともよく合い、お砂糖代わりにも使用できます。カップの横に添えられていると、とてもかわいいですよね。
プチギフトとしても喜ばれますよ。
【石谷精華堂】カカオ香る不思議なお砂糖「しょこら和さんぼん」
しょこら和さんぼん 12個入り540円(税込)
鳥取県倉吉市の和菓子屋「石谷精華堂 (いしたにせいかどう)」。白あん、小豆あん、抹茶あんの三種の小さな団子が串にささった、鳥取銘菓「打吹公園(うつぶきこうえん)だんご」が有名なお店です。
「しょこら和さんぼん」は、純正ココアと和三盆糖をあわせた和スイーツ。口の中に広がるのはカカオの芳香とコク。チョコレートとは異なる、はかない口どけにうっとり。ホットミルクと一緒にいただくとミルクチョコレートのような味わいになります。
【三谷製糖羽根さぬき本舗】四季の花々をかたどったカラフルな「四季の華」
文化元年(1804)創業の三谷製糖羽根さぬき本舗。210余年の歴史を持つ伝統の製法を受け継ぎ、地元で育てたさとうきびのみを使ってつくられているのが、三谷製糖の讃岐和三盆糖です。
職人の手により丁寧に作られた最上級の和三盆糖は、温かくやわらかな甘みを持ち、うま味があります。その和三盆糖を独自の製法で丸めて固め、一つひとつ和紙で包んだ形の和三盆が「羽根さぬき」です。手づくりゆえ、一つとして同じ形はありません。
その「⽻根さぬき」に、季節の移ろいにあわせて内容が変わる「四季の華」を合わせた詰め合わせがオススメ。和三盆糖本来の味を邪魔しないようにツナギを⼀切使⽤せず作り上げるお⼲菓⼦は⼿間暇が掛かる。けれど、「良いもの」をつくるためには妥協しない、それが三⾕製糖のこだわりだそう。そうしてつくられたお⼲菓⼦は、抹茶はもちろん、コーヒーや紅茶、アルコールなどに合わせてもおいしくいただけます。
伝統の味を大切に伝えているものから、現代風に進化したものまで、日本全国にはさまざまな落雁や和三盆があります。紹介した商品はすべて公式ホームページやオンラインショップで購入できます。大切な人への贈り物はもちろん、自分へのご褒美として楽しみたい和スイーツです。
文:さとちん