こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。
暦の上では夏がやってきました!ついこの間お花見をしたのに…と思っている方も多いのではないでしょうか?お花見の定番といえば、そう、おだんご!ただ、今回紹介するのはちょっと変わった三色だんご。お花見の時期が終わってしまった今こそピッタリな三色だんごです。
コロナが落ち着いたら私が1番に食べに行きたい食べ物「もち膳」。これは岩手県にある郷土料理で、その名の通り、お膳にたくさんのお餅が並んでいます。岩手にはおもてなしとしてお餅を振る舞う文化があり、お餅が大好きな私はもち膳を知った瞬間に一目惚れしてしまいました。そんなもち膳を調べていたときに出てきたのが今回紹介する芽吹き屋さんでした。
一般的に三色だんごといえばピンク、白、緑のイメージですが、芽吹き屋さんの「餡入り三色だんご」はピンクではなく黄色。ピンクが黄色に変わることでかわいらしい春のイメージから初夏をイメージする元気な雰囲気に変わります。
芽吹き屋さんは『岩手阿部製粉』という会社の和菓子ブランド。製粉、とついた名前の通り、製粉方法に特徴があります。『胴搗(どうづき)製粉』という、昔ながらの臼と杵でつくような製粉方法が用いられ、材料には国産のうるち米が使われています。
胴搗製法は一般的な製粉方法に比べ時間はかかるものの、粉へのダメージを抑える事ができ、ツヤとコシのある生地となるのが特徴です。そのため、開発当初、コシが強すぎて、だんごに串が刺さらなかったんだそう。検討した結果“生地の中にあんを入れれば串が刺さるのではないか”、というアイデアから生まれたのが、この「餡入り三色だんご」です。
おだんごの食感は口に入れた瞬間は柔らかいものの、かめばかむほどむぎゅっとしっかりとした食感。おだんごの中のあんこはそれぞれ味が異なり、黄色には濃厚な黒ごまあん、白色には胡桃の食感が楽しいくるみみそあん、よもぎの緑には北海道産小豆のつぶあんが入っていてどれも全く違う味わいを楽しめます。
ちなみに、おだんごは冷凍状態で届くのですが、『冷凍和菓子』を世界で一番初めに開発をしたのは、芽吹き屋さんなんだそう。可能な限り添加物を使用せず、常温で自然解凍するだけで作りたてのおいしさを味わえます。
お花見のお供に、そして、桜はすでに散ってしまった地域の方も、桜を思い出しながらお花見気分を味わっていただけたらうれしいです。
- <今日のおやつ>
芽吹き屋「餡入り三色だんご」 4本入 583円(税込)