1.昭和32年創業。地元で愛される和菓子屋さん
横浜から電車で約10分の場所にある和田町。和田町商店街のなかに地元で愛されている和菓子屋「盛光堂」があります。
店外から見える場所にガラスのショーケースがあり、お団子や豆大福、いもようかん(秋限定)、お赤飯のおむすびやいなり寿司などが並んでいます。
訪れた時間は午後3時でしたが、商品を品定めし、店内に入って購入する人が次から次へと後を絶たないほどです。
盛光堂の開店は朝8時。和菓子店にしては早めの時間ですが、それも駅に向かう人が、海苔巻きやいなり寿司を買い求めやすいようにとの気持ちから。
赤飯のおむすび 150円、のりまき 75円、太巻 300円、いなり寿司 75円 ※すべて税込
甘塩っぱいいなり寿司は、固さ・味付けがいい塩梅で懐かしさを感じ、ついついもう一口食べたくなる美味しさです。
2.材料にこだわり抜いた人気のお団子
しかしなんといっても評判なのがお団子。中でも1番人気は、みたらし団子です。
団子 各種120円(税込)
もっちりとした食感で、噛めば甘みの増すお団子。店頭のすぐ裏で毎朝5時半から作り始めます。材料は北海道産の小豆に新潟のお米。おおぶりなのでかぶりつくとお腹も満足に。
「材料にはこだわっているからね。」と話してくれたのは、盛光堂2代目の金子一男さん。熱々のお湯で団子を練って、蒸して、出来たてを並べます。
あんこは煮るのに時間がかかるので、1日の最後の仕事。翌朝に砂糖と合わせて仕上げています。甘すぎず食べやすいのが特徴です。
緑が鮮やかな「ずんだ」はだだちゃ豆を使用。豆の味が濃くあっさりとした甘さ。
たっぷりゴマだれをまとった串は、黒胡麻が香ばしく甘みは強め。どれも1つ1つ味が混ざらないようにセロファンでくるんであるので、持ち帰りも安心です。
包み紙はお店の外観に描かれているものと同じ弥次喜多コンビ。こんなお団子が道中あったら立ち寄って食べたくなりますね。
3.家族総出で受け継ぐ味は、どこまでも優しい
金子さんと、次男のお嫁さんの美加子さん
盛光堂は、天王町にあった店から初代が暖簾分けされて昭和32年に開店。修行を終え一国一城の主となったのもつかの間、金子さんの父が他界。わずか開店して3ヶ月後のことでした。
そんな時、助けてくれたのが暖簾を分けてくれた本家。心配して人を回してくれたそうで、金子さんは2代目としてそこから必死に教えを乞いながら、数年後に独り立ち。母親と店を切り盛りしていました。師匠と弟子って素敵ですね。
時は流れ、代がかわり、今では盛光堂は金子さんの3人の息子さん達とお嫁さん、家族皆で変わらぬ味を守っています。これが本当の団子3兄弟かもしれません。
店内には、ご近所のお孫さんの1歳のお餅担ぎに使う一升餅の写真が飾られ、お祝いのお赤飯や季節の和菓子もあり、地元の人々の生活に溶け込んでいます。
茶まんじゅう 150円(税込)
お饅頭もあんこがたっぷり。素朴で優しい味は飽きがきません。
和田町に暮らす人が、「ああ、あそこのお団子が食べたいなぁ。」とふと思い、「いつまでもここにあって欲しい。」そんな気持ちがきっとわかる気がします。
取材・文:都野雅子
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