二俣川・希望ヶ丘・三ツ境

【焼きたてカステラの店 茶和 -sawa-】ふわふわの朝焼きカステラと、名物カステラサンド

笹木理恵

1.毎朝焼きたて! 住宅街でファンを集める、手作りカステラ専門店

横浜市民には、「免許センターのある町」として知られる二俣川。近年は駅前に大型商業施設が誕生するなど利便性が向上し、住みよい街としても注目を集めています。
そんな二俣川駅から、歩くこと10分。一戸建てが並ぶ住宅街に店を構えるのが、「焼きたてカステラの店 茶和 -sawa-」です。

オープンは、2016年1月。店主の金子由美さんは、3児の母で現在子育ての真っ最中。小学生の頃から習っていた茶道をきっかけにお菓子職人の道へ進み、専門学校卒業後、修業先の和菓子店で焼かせてもらったカステラの美味しさに感動し、カステラの専門店を開業したそうです。

カステラは、焼成後一晩おき、状態を落ち着かせてから販売するのが一般的ですが、「茶和」では手づくりならではの焼きたての味を楽しんでもらいたいと、毎朝焼いたカステラを店頭に並べています。ふわふわの口どけと卵のやさしい香りは、脱酸素剤を同封していないからこそ楽しめる味わいです。

「朝焼きカステラ」ハーフ 500円(税込)

看板商品の「朝焼きカステラ」(900円/ハーフ500円)は、国産小麦と横浜・泉区の「大矢養鶏」の新鮮な卵を使用。ふわふわ、しっとりとした口どけで、いくらでも食べられそうな美味しさです。

2.焼成中はつきっきり! 「泡切り」と「ガス抜き」の技で、ふっくら焼き上げる

ところで、カステラってどんなふうに焼くか知っていますか? オーブンに入れっぱなしではなく、その日の生地の状態を見ながら、小まめに調整して焼き上げなくてはならず、まさに勘がものをいう職人仕事。とくに焼き上がりを左右する大事な工程が、「泡切り」と呼ばれる作業。焼成の序盤で生地を混ぜて大きな気泡を取り除き、火の通りを均一にすることで、きめの細かい生地に仕上げる目的で、「茶和」では3回行います。

その後、焼き色がつきすぎないように蓋をして焼き、途中で「ガス抜き」を3回。空気を抜きながら焼くことでふっくらとした仕上がりになるそうです。9時30分の焼き上がりに合わせて来店すると、まだほの温かいカステラに出合えるそうですよ。

3.個性豊かなカステラスイーツが勢ぞろい!

「カステラサンド」 各220円(税込)

「茶和」では、カステラを使ったオリジナルのスイーツや、季節替わりの和菓子も人気です。 薄く切ったカステラにバタークリームをサンドした「カステラサンド」(1個220円)は、ありそうでなかった発想! イチゴやチョコなど6種類が揃っており、店主イチオシは、自家製ラムレーズンを挟んだ「レーズンバターサンド」。日持ちもすることから、手土産としてもおすすめです。

「カステラフルーツサンド キウイ」 340円(税込)

その日に食べるなら、冷蔵ケースの「カステラフルーツサンド」(290~350円)をぜひ。食パンの代わりにカステラを使ったフルーツサンドで、パイナップル、キウイなどの定番のほか、マンゴー、ブルーベリーなど季節のフルーツも登場。生地がカステラなのでさぞかし甘いのでは……と思いきや、ひんやりとしたホイップクリームのミルク感、フルーツの酸味や甘みに、卵の風味とやさしい甘みが調和して、フルーツショートケーキを食べているかのようなリッチな味わいが楽しめます。

「桃大福」 260円(税込)

2021年の新メニューだという「桃大福」は、季節限定。フレッシュな桃と白あんを包んだみずみずしい味わいです。

同じく季節限定の「ブルーベリー大福」は、フレッシュなブルーベリーと白あんを合わせたモダンな仕立て。鮮やかな紫色が映え、視覚的にも楽しめます。

その他、季節のフルーツ大福や上生菓子、カステララスクなどの焼き菓子も並び、小さな売り場に店主の創意工夫が詰まった素敵なお店です。新作はお店のインスタグラムにアップされるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

取材・文:笹木理恵