丸の内・品川に連なるビジネス街であり、サラリーマンの街として有名な新橋に独創的で上品な和菓子を生み出しているお店があります。そのおいしさの秘密と、おすすめ商品を紹介しましょう。
1.JR新橋駅烏森口から徒歩3分
JR新橋駅烏森口から烏森通りを歩いて3分。新橋三丁目交番の並びに文銭堂本舗(ぶんせんどうほんぽ)はあります。昭和23(1948)年創業、70年以上同じ場所で和菓子の製造販売を行っています。
店内には灯籠もあり落ち着いた雰囲気。
お店の奥で毎日丁寧に作られたお菓子が、ショーケースに並びます。
2.「文銭最中」が看板商品に
創業当時から作られているのが「文銭最中(ぶんせんもなか)」。江戸時代にお守り代わりとして、広く庶民に親しまれていた通貨「寛永通宝」を模した最中で、店名にもなっている看板商品です。
小ぶりな最中のように見えますが、中にはぎっしりとあんこが詰まっているので、意外と食べ応えあり。
あんこに使われているのは、丁寧に皮をむいた「小豆」でつくられたこしあん。若干薄めの色合いで、上品な甘さと、なめらかな口当たりとなっています。更科そばをイメージしたあんと言えば伝わるでしょうか? さらに、3日間蜜につけた鹿の子豆が入っていることで、なめらかなあんの中に小豆の食感も楽しめます。
白あんと栗のねっとりやわらかなあんの中に刻み栗が入った「栗」も、味と食感のハーモニーがたまりません。
裏面も焼いているという皮は香ばしく、あんのおいしさをしっかりと受け止めています。小豆は130円(税込)、栗は 162円(税込)です。
どなたに贈っても、きっと喜ばれることでしょう。
3.かわいい見た目と季節あんが人気の「新虎焼」
新虎焼 各1個260円(税込)
昔ながらの伝統的な和菓子が並ぶ中、ちょっと斬新なのが「新虎焼(しんトラやき)」。新橋と虎ノ門を結ぶ新虎通りの開通を記念して作られました。基本はどら焼きですが、皮はかわいい虎柄になっています。
中のあんこも抹茶や、リンゴやカリンなど季節の果物を使用した変わりあんが登場します。
ふっくらとやわらかい皮に、昔ながらのつぶしあんがたっぷり挟んである「あずき」は、誰もが喜ぶ味。フレッシュな果物を使用した新虎焼は、特にお子さんに好評だそうです。
季節のあんは、パインや枝豆、バナナなど、さまざまな新虎焼が発売されましたが、衝撃的なのがドリアン! ネットでも話題になったようです。生のドリアンを使用しているので、意外と食べやすいそうです。
6月末くらいから発売されるようなので、一度チャンレジしてみたいですね。
4.職人の技が光る注目の上生菓子「君牡丹・黒牡丹」
君牡丹 黒牡丹 各302円(税込)
文銭堂オリジナル商品として、再び注目されているのが、コロンとしたかわいいフォルムの君牡丹と黒牡丹です。ふっくらとした黄身しぐれの中に粒あんが入った君牡丹。黒牡丹は黄身あんが黒ごまの練りきりに包まれています。
油分の多い黒ごまを分離させずに練りきりにできるのは、長年培った職人の技とのこと。口の中に広がるごまの香りが特徴的なお菓子です。
金粉がのっているのも縁起が良さそうで、黄金色の君牡丹とともに、新春のごあいさつにおもたせとしても喜ばれますよ。黒豆やきんとんなど、お節用の商品を毎年楽しみにしている人も多いそうです。
※甘酒まんじゅうは2022年1月現在、販売は終了しています。次回はお花見にあわせて3月頃の販売予定です。
贈答用の和菓子以外にも、甘酒まんじゅうや福柿など季節の和菓子も人気です。自分のおやつ用に、いくつか購入していく人の姿も多くみられました。新橋で働く人たちのエネルギー源ともなっているようです。
取材・文:さとちん