東海道五十三次の川崎宿で100年以上和菓子の製造販売を行っている「菓寮 東照(かりょう とうてる)」。店内には川崎の新名物「かわっぴら餅」をはじめ、バラエティ豊かなお菓子が並んでいます。川崎のお土産に購入したい、おすすめ商品を紹介します。
1.大正2年創業の老舗和菓子店
JR川崎駅東口から徒歩10分、京急川崎駅からなら徒歩5分ほど。旧東海道の川崎宿交差点角にある「菓寮 東照」は、大正2(1913)年の創業以来、この場所で和菓子を販売しています。以前は和菓子作りも同じ場所で行っていましたが、お客様のリクエストで店内に「茶寮木の実」を開設。今は徒歩で2分ほど離れた場所でお菓子の製造を行っています。
店内には川崎宿由来のものや地元の食材を使用したオリジナル商品が多く、他ではあまり見かけない和菓子のラインナップに、見ているだけでもワクワクしてきます。
お店の奥の茶寮では、温かいお汁粉や奈良茶飯風おこわといった軽食がいただけるようになっています。
本店以外に川崎アゼリア、京急川崎駅大師線ホーム、鶴見駅シァルにも店舗があり、京急のお店は、改札を出ることもなく、ホームで買えるのが助かります。
2.味も見た目も斬新な「かわっぴら餅」
最初に紹介するのは、川崎名産品に指定された「かわっぴら餅」。北海道産の小豆をやわらかなお餅で包んだ大福を、薄く伸ばしてから、両面をこんがりと焼いています。
粒あん入りのよもぎとこしあん入りのお醤油の2種類。お醤油入りの大福ってめずらしいですよね。お醤油のしょっぱさとあんこの甘さのコラボは、想像以上のおいしさ。焼くことで香ばしさもプラスされています。甘いものが苦手という人にも好評だそうです。
かわっぴら餅 1個 150円(税込)
味はもちろん、やわらかくてもちもちのお餅は、ちょっと感動もの。お餅のやわらかさには特にこだわって商品を開発したそうです。常温はもちろん、冷蔵庫で冷やしてもかたくならず、お餅のやわらかさはそのまま! 食べやすさもあって、2つ、3つと、手が出てしまいます。
3.自分好みのどら焼がここに
こどら 130円(税込)~/どら焼き 216円(税込)
北海道産の小豆を丁寧に炊いて作ったあんこを、ふわふわの皮ではさんだ「どら焼」も人気商品。2週間ほど日持ちするので、帰省の時など、遠方へのお土産にもぴったりです。
小さくてかわいい「こどら」は、賞味期限が3日と短いですが、ふっくらとやわらかい皮が特徴的。こどらを作るのは月曜、水曜、金曜と決まっています。出来たてが好きな人はこの日、しっとり落ち着いてあんこが少し皮にしみこんだ状態が好きな人は翌日、常連さんは自分好みのこどらを買いに来るのだそうです。
粒あん、こしあん以外に季節の変わりあん商品もあり、毎年楽しみにしている人も。県立川崎高校の養蜂部の皆さんが採集した蜂蜜を使用した「こどら はちみつレモン」は、テレビでも紹介されました。濃厚な蜂蜜と爽やかなレモンが相まって、ちょっと洋風なおいしさ。春からは神奈川県の特産品の黄色いオレンジ、湘南ゴールドを工場で皮ごと加工してあんにした「こどら 湘南ゴールド」が発売されます。こちらもファンの多い商品。
卒業式や転勤が多い2月3月には、「ありがとう」のメッセージが入ったこどらがよく売れているとか。お値段も手ごろで、部活の先輩への贈り物にも喜ばれますよね。
4.季節を感じる和菓子も要チェック
熟練の職人による季節の上生菓子といった、正統派の和菓子も手がけています。
上生菓子 青楓・水鳥・紅梅
店頭には常時2~4種類の上生菓子が用意されていますが、和にこだわらず、クリスマスにはサンタクロースやツリーをモチーフにしたかわいい上生菓子も!
いちご大福 280円(税込)
春にはちょこんと飛び出たイチゴがかわいい「いちご大福」も店頭に並びます。いちごは川崎市幸区にある「しんぼりファーム」の朝摘みいちご。とことん川崎にこだわっています。
他にも、厄除け大師として名高い川崎大師 平間寺へ納めている特注品の「だるまさぶれ」と同じ素材・製法でつくられる「福分ひょうたんサブレー」や、粒・こし・キャラメルの3種類のあんが入ったカラフルな最中「季月最中」など、川崎由来の商品から、ちょっと遊び心のあるものまで、さまざまな和菓子が揃っています。
今回紹介した商品はオンラインショップでも購入可能。川崎の名品をご自宅で味わってみてくださいね。
取材・文:さとちん