赤坂・六本木

【松也】繊細で上品なおはぎとあんみつをゆっくりと味わえる、六本木駅直結の隠れ家甘味カフェ

笹木理恵

注目のスイーツブランドを多数展開している「イートクリエーター」が手掛ける、初の和スイーツカフェ「松也-MATSUNARI-」は、素材や製法にこだわったおはぎとあんみつが味わえる専門店。ひとつひとつじっくりと味わいたい上品な味わいのおはぎや、みずみずしい口どけのあんみつを、イートインやテイクアウトで楽しめます。

1.六本木ヒルズ地下に誕生した、おはぎとあんみつの甘味処

東京メトロ六本木駅直結、六本木ヒルズノースタワー地下1階にある「松也 -MATSUNARI-」は、パティシエがつくる「おはぎ」と「あんみつ」をテーマにした甘味処で、2022年2月にオープンした新ブランドです。

「甘味処」をうたっているだけあって、店内には落ち着いた雰囲気の客席が20席用意されています。駅直結というアクセスのよさに加え、カウンター席もあるので一人でも立ち寄りやすく、気軽に甘味を楽しめるのが嬉しいところ。

店内に一歩入ると、駅の喧騒とは無縁の静かな空気が流れます。六本木の地下にこんな隠れた空間があるなんて、なんともぜいたくです。

2.高級品種「新羽二重もち」に甘酒と米こうじを加え、深みのある味わいに

看板商品のおはぎは、厳選した素材の風味を生かした、ナチュラルなおいしさが持ち味。中の具に使うもち米は、京都の固有品種で希少価値の高い京丹後産「新羽二重もち」。隠し味に甘酒と米こうじを加えているのが特徴です。「お米とこうじの優しい香りと甘みが加わって味わいが立体的になり、食感も柔らかく炊き上がるんですよ」と教えてくれたのは、店長の野口さん。

さらに、最高級のもち米の風味を活かすためにあえて粒が残るように潰し、そしゃくすることで広がるお米の甘みや、なめらかなあんとのコントラストを味わえるように仕立てています。

一方、周りのあんに使う小豆は、京都産と北海道産が中心。こしあんは京都産のこしあんと北海道産のこしあんのブレンド、粒あんは京都産の大納言小豆と北海道産のこしあんのブレンド、といった具合に、お菓子に合わせて使い分けています。粒あんは毎日店内で製あんしており、粒の食感が均等になるように2日間浸水させてから炊き上げているのもこだわりです。

3.おはぎは全6種類。良質な素材の風味が際立つおいしさ

おはぎは、全部で6種類。定番の「こし餡」(330円)と「粒あん」(330円)、焙煎胡麻の香ばしい風味を添えた「胡麻」(330円)、こしあんとの相性抜群な「きな粉」(330円)のほかは毎月入れ替わっていくので、季節ごとのフレーバーもお楽しみ。取材時の「桃」のように季節の果物を使った限定のおはぎでは、白あんにフルーツピューレを練り込むなどパティシエの技が盛り込まれており、ひと味違った爽やかな味わいが印象に残ります。

店内ではおはぎひとつから注文できるので、ちょっとした休憩にもぴったり。京都の老舗茶舗の茶葉を使った、香り高い味わいの「ほうじ茶」(単品400円、おはぎとのセット+300円)がよく合います

4.繊細な味わいのあんみつや、夏限定のかき氷もチェック!

一方、イートインの看板商品は、2種類の寒天が入った「クリームあんみつ」980円。糸寒天で作る黒糖とプレーンの寒天は、ぷるんと弾むようなみずみずしさがあり、口どけがとてもなめらかなことに感激!

表面には粒あんが、器の底にはすっきりとした甘さのこしあんが忍ばせてあり、ダブルのあんこを味わえるのも魅力。こしあんは具材となじみがよい濃度に調整してあるので、絡めて食べれば黒蜜なしでも美味しくいただけます。定番のあんみつのほか、いちごやメロンなど季節の果物がたっぷりのった「季節のフルーツあんみつ」もおすすめです。

また、この夏からの新メニューのかき氷も要チェック。あんみつと氷を組み合わせた「あんみつ抹茶かき氷」は、あんみつもかき氷も両方食べたい! という夢を叶えてくれます。

近年は進化系おはぎの専門店も増えており、独創的な味の組合せもよく見られますが、「松也」のおはぎは奇をてらわない、素直な美味しさが魅力。1個するっと食べられるような優しい味わいなので、贈り物としても喜ばれそうです。駅近くで購入できる気の利いたスイーツギフトとして、覚えておきたいお店です。

取材・文:笹木理恵