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福面にどうぶつ、ユニークな発想で元気いっぱいの神奈川名物まんじゅう7選

oriori編集部

日本のまんじゅうの歴史を辿ると室町時代まで遡るそうです。だからといってまんじゅうが古くさいものなのかというと、そんなことは全然なく、新しい味への挑戦を続けるお菓子だったりします。
それでは、チャレンジを続ける神奈川の名物まんじゅうを紹介しましょう。

1.【菓子工房 くろさわ】相模原の定番和菓子といえば「酒まんじゅう」

JR相模線の上溝駅から徒歩15分の住宅街にある「菓子工房 くろさわ」。相模原周辺の和菓子店では定番となっている「酒まんじゅう」をつくっています。「酒まんじゅう」の「酒」とは「酒種」のこと。まんじゅうの生地である小麦粉を発酵させるのに「酒種」と呼ばれる酵母を使うことで、まんじゅうの皮がしっとりもちもちに仕上がるのです。自家製の酒種を仕込んだ酒まんじゅうは開くとふんわりと甘い香りが漂います。しっとりとそしてふっくらとしたまんじゅうのあんは味噌あんとつぶしあんの2種類。素朴でほどよい甘さのおまんじゅうです。

2.【つるや製菓】市民に愛される、「都まんじゅう」一筋66年のお店

JR東海道線・平塚駅。その北口のロータリーの前にあるのが「つるや製菓」。地元の人に都まんじゅうで知られるお店です。
蒸すのではなく、焼いてつくられる「都まんじゅう」。つるや製菓で扱うのはこの都まんじゅうのみ。平塚は江戸を出て初めての宿場町なので、都を思い出すという意味を込めて「都まんじゅう」と名付けられたそうです。
材料は小麦粉、砂糖、卵、膨らし粉と至ってシンプル。中身は白あんです。焼きたてをいただくと、ほんのり温かく食感はふわふわ。軽くて、香りはカステラに似ていますがもっとあっさりしています。中身の白あんも甘さが控えめなので、1人で続けて2~3個は簡単にいけてしまいそう。
購入する時はそれを目安に数を求めるのもおススメです。

3.【菓子匠 末広庵】ただ今、人気急上昇中!「多摩川梨のみるくまんじゅう」

昭和27(1952)年創業の「菓子匠 末広庵」。ここでつくられている変わり種まんじゅうがJAセレサ川崎との共同開発で生まれた「多摩川梨のみるくまんじゅう」。
2019年、気候災害により多摩川梨の多くが病気になり、見た目の悪さから出荷できなくなりました。廃棄予定だった多摩川梨をJAセレサ川崎が買い取りピューレ状に加工。その梨ピューレを白あんに練り込んでいます。果肉の食感こそありませんが、梨の風味と甘さはピューレでも変わりません。皮生地にはグラスフェッドバターが混ぜこまれていて、バターの香ばしい香りとともに梨の風味をしっかり味わえます。

4.【力餅家】長細い面立ちやまん丸の丸顔など。表情豊かな11種類の「福面まんじゅう」

創業は今から300年以上も前と、歴史ある和菓子屋「力餅家」の名物が表情豊かな「福面まんじゅう」。毎年秋に鎌倉の御霊神社で行われる面掛行列で使われる面を模したものだそう。 天狗面や火男、おかめなど11もの面があります。「福面まんじゅう」は甘みの強いカステラの中にあんこが入っている人形焼きのようなお菓子です。1個170円ととってもリーズナブル。映画『海街ダイアリー』でも主人公の好物として登場しています。鎌倉散策のお土産にも最適です。

5.【菓心 桔梗屋】親子三代で盛り上げるおまんじゅうの競演

神奈川・新丸子で創業62年を迎える和菓子店「菓心 桔梗屋(ききょうや)」。親子3代、家族で経営するアットホームな和菓子店です。
初代がつくったのは店の一番人気商品、「新丸子まんじゅう」。ぱくっと食べられる小ぶりなサイズ感と、1個55円というお手頃な価格が評判です。
二代目の義孝さんは、アイデアマン。チーズまんじゅうやチョコレートまんじゅうなど和菓子に洋の要素を取り入れ、隣駅の武蔵小杉の開発によって増えた若い人たちに、気軽に和菓子を買ってもらえるよう商品ラインナップを広げました。
そして三代目の洋義さんは、新しいことにも積極的に挑戦しており、コーヒーに合う和菓子をコンセプトにしたおまんじゅう「三代目コーヒーブラザーズ」(各200円)などを開発しています。
親子三代で別々のおまんじゅうを開発し、お客様に食べ比べてもらうイベントを開催するなどして新丸子を活性化している桔梗屋さんの活動から目が離せません。

6.【菓匠 寿々木】老舗和菓子店がつくる斬新な「どうぶつまんじゅう」

明治41(1908)年創業の老舗和菓子店「菓匠 寿々木」。
明治神宮に献上する銘菓で有名なこの店には一見不釣り合いなイメージの商品が、この「どうぶつまんじゅう」。お店の若い女性の職人さんがつくっているそうで、それぞれブタ(つぶあん)、パンダ(こしあん)、トラ(白あん)が入っています。かわいい表情のどうぶつまんじゅうは小さな子どもたちに大人気だとか。ネット通販で買うと冷凍で届くので、お孫さんへのプレゼントにもぴったりですよ。

7.【磯子風月堂】手包みで1つ1つ表情が違う。風味豊かな黒糖まんじゅう

創業は昭和13年。永きにわたり磯子の地で愛されている「磯子風月堂」。
ここでつくられるのは、温かさが伝わる一口サイズの黒糖饅頭。 国産の最上級小麦粉「宝笠(たからがさ)」と国産の黒蜜を使用して一つ一つ手包みでつくられています。あんも皮も全て自家製にこだわっています。手包みのため、1日に作れる黒糖饅頭は平均して70個。繁忙期でも1日150個です。
黒糖のコクのある甘さがしっかりとあるのに、パクパクといくつでも食べられてしまうくらい、軽い後味が特徴です。

文:oriori編集部