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お取り寄せ連載企画 おやつの時間 「第15回 榮太樓總本鋪 名代 金鍔」

せせなおこ

こんにちは、和菓子コーディネーターのせせなおこです。この連載では、何げない毎日がちょっといい日になるような、そんなおやつを紹介します。

今日のおやつ「名代 金鍔」

今回のおやつに選んだのは東京・榮太樓總本鋪の「名代金鍔」。初めて出会った時、とにかく衝撃を受けた印象深いきんつばです。

まず一つ目にその形。一般的にきんつばの形といえば四角。ですが、榮太樓總本鋪のきんつばは丸い形をしています。というのも、この丸い形はきんつばの名前の由来である刀の「鍔(つば)」をかたどっているからなんです。(鍔は刀身と柄の間の丸い部分)

元々は関西で生まれたこのお菓子はその色と形状から「銀鍔」という名前だったんだそう。江戸にやってきた際、生地の材料が米粉から小麦粉にかわり、きれいな焼き色がつくようになったことから「金鍔」という名前に変わったといわれています。

そして、もうひとつ驚いたのがたっぷりのあんこ。しっかりと小豆のコクを感じる、濃厚なあんこで、あんこ好きにはそれはもうたまりません!!

あんこが透けるほど薄く伸ばした小麦生地であんを包み、丸く成型したものをごま油で香ばしく焼く製法は、江戸時代から変わっていないそうです。江戸時代の人たちと同じものを味わっているというこの感覚、和菓子のおかげでタイムスリップしたような気分になります。

最初こそ驚いたものの、それ以降「う〜ん、これこれ!」と定期的に食べるお気に入りのきんつばになりました。ちなみに日本橋の本店では焼きたてのきんつばを味わうことができます。いつものきんつばでも十分おいしいのに焼きたてはごま油の香りが漂い、香ばしさが一段とアップした特別感ある味わい。このおいしさはぜひ多くの人に知ってほしい味です。

今回お取り寄せした3個入はちょっとしたギフトにもぴったりなサイズ。紺色のパッケージがシュッとりりしくてかっこいいのもお気に入りポイントです。

少しずつ春を感じる場面が増えてきました。もう少し暖かくなったら和菓子を持ってピクニックもいいなぁ。そんな想像をしながらもう少し、今の季節を楽しみたいものです。

文:せせなおこ