新宿

【匠の焼き菓子CONGALI文明堂】工房直送の焼きたてふわふわカステラ&キュートなこぐま焼きにメロメロ!

笹木理恵

「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」のキャッチコピーと、かわいらしいカンカンベアのキャラクターでおなじみのカステラの老舗、文明堂東京。東京進出100周年の節目に開業した新ブランドは、毎日工房から直送する「釜出しカステラ」や、カンカンベアをかたどった人形焼きが名物です。

1.東京進出100周年。カステラの老舗「文明堂」が手掛ける新業態

2022年に東京進出100周年を迎えた文明堂東京。その歴史をひもとくと、明治33(1900)年、長崎にて中川安五郎氏が創業したのがはじまり。その後、大正11(1922)年に安五郎氏の弟・宮﨑甚左衛門氏によって東京・上野黒門町への出店が実現し、東京へ進出。甚左衛門氏は大変なアイデアマンで、百貨店での実演販売やカステラのおまけサービスなど、独創的な手法で東京での基盤を確固たるものにしました。「カステラ一番、電話は二番~」という有名すぎるキャッチコピーの生みの親としても知られています。

そんな文明堂東京が2022年10月5日、伊勢丹新宿店にオープンしたのが、「匠の焼き菓子CONGALI文明堂」。職人の“焼きの技術”を活かした「こだわりの焼き菓子」を販売する新ブランドです。

2.名物「釜出しカステラ」は、1日3回、工房から焼きたてを直送!

構想に約3年を費やしたという『CONGALI』は、文明堂の看板商品であるカステラを前面に出した新業態。そもそもカステラは、卵や砂糖、小麦粉で作るシンプルなお菓子でありながら、焼いている途中で何度か生地を混ぜる「中混ぜ(泡切り)」の作業や、焼成中の温度調整など、多くの工程で職人の技術が必要とされます。そこで『CONGALI』は、伝統の味を受け継いできた職人の技にスポットを当て、文明堂東京の強みを活かす形で商品開発を行ったそうです。

看板商品は、1日3回、各回100切れ限定で焼きたてをお届けする「新宿工房釜出しカステラ」。通常、カステラは焼成後、木製の番重で一晩寝かせてから販売しますが、釜出しカステラはその名の通り、焼きたてを温かいうちにカットし、店頭へ。伊勢丹新宿店から徒歩10分ほどの場所に工房があることに加え、「焼きたてのカステラを食べてみたい!」という顧客のリクエストもあって、商品化が実現したといいます。

3.専用の配合や製法を工夫し、職人技で焼きたてでもおいしく

焼きたてのカステラは、スフレのようにふるふると揺れるやわらかな食感! 通常は、一晩おくことで糖分が生地になじむことを考慮した配合となっているため、焼きたてはやや乾いた食感だそう。そこで釜出しカステラは、小麦粉を減らしてふんわり感を出し、さらにザラメをなくして口当たりをよくするなど、焼きたてでもおいしく食べられるように配合を調整しています。

焼き上がったらすぐに木枠をはずし、まだ湯気の立つ熱いうちにカットするのも、釜出しカステラならでは。ふるふると揺れるほどやわらかいカステラを、湯気の立つうちに手切りでカットするのはまさに職人のなせる技! その後、カッターで1切れずつにカットしていきます。

業界では、「焼きたてのカステラはおいしくない」というのが通説ですが、焼きたては卵の香りが濃厚で、生地のふわふわ感も格別。一晩寝かせたカステラとはひと味違う、フレッシュ感のある味わいが楽しめます。

4.キュートな「こぐま焼き」や、新食感のひとくちカステラなどの新商品も話題!

さらに「CONGALI」で連日完売のヒット商品となっているのが、CMでおなじみのキャラクター「カンカンベア」をかたどった「こぐま焼き」(1個税込216円)。人形焼の鋳型で「カンカンベア」の形を表現するのにも苦労したそうで、こぐまの特徴的なつぶらな瞳と、ちょっぴり高い鼻、ちょこんと飛び出した耳がチャームポイントとなっています。

ふんわりとした生地のおいしさを味わってもらいたいと、中はさらりと口どけのよい皮むきあんに。なめらかで甘さも控えめなので、軽やかな食べ心地です。

一方、日持ちしてギフトにおすすめなのが、独自製法でひとくちサイズに仕立てた「ギュッとひとくちテイラ」。(3個入 各税込875円)。個包装で手軽に食べられる新感覚のカステラで、フィナンシェのようにしっとり、ウエットな食感が特徴です。味は、新宿で採れた「MIEL 新宿はちみつ」を使った「はちみつ」と、「メープル」の2種類があります。

同じく個包装の「コンガリラスク」(S10枚入/税込1,944円~)は、カステラや御笠山の生地を二度焼きし、サクサクとしたラスクに仕上げた商品。カステラの特徴である豊かなたまごの風味が、ラスクになっても際立って感じられます。御笠山のほうにはコンパウンドホワイトチョコレートがコーティングしてあり、チョコのミルク感や甘みとたまご感がバランスよく調和しています。

若い世代にも、気軽にカステラを楽しんでもらいたい、という思いも込めて開発された「CONGALI」。耳なじみのよい店名に加え、レトロ感のあるおしゃれなパッケージにも、若い世代が手に取りたくなる工夫が施されています。1個から購入できる商品も多いので、日常のおやつから贈り物まで、幅広いシーンで活躍してくれそうです。

取材・文:笹木理恵