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柔軟な発想と繊細な技術から生み出される、おいしい笑顔。 新しい味を追求するこだわりの創作和菓子4選

oriori編集部

伝統的な手法を見れば、確かに和菓子なのですが、その新しい食感や味は新鮮な驚きに満ちています。素材にもこだわり、さらに見た目の美しさも追求した創作菓子の数々。口にした人の笑顔を引き出し、贈り物にもお使いいただける逸品を紹介します。

1.【本まつばや】試行錯誤を重ねて生み出された、口福な食感の「月あかり」

「本まつばや」は1927年に、四天王寺の東門筋で創業された創作和菓子屋さん。こちらがつくっているのが、新鮮な卵黄と上質の寒天に香り豊かな柚子を練り込んだ干菓子「月あかり」。2012年に、幾度の失敗と、試行錯誤を重ねて生み出された創作和菓子です。夜をやさしく照らす月明かりのように、ほのかな黄色を帯びた見た目はサクッとしたクッキーのような感じですが、意外や意外、ふわりととけるような食感に驚かされます。上品な柚子の香りがほんのりと立ち上り、今まで味わったことのない口福な気持ちに包まれます。干菓子なので日持ちも1ヶ月と長く、ギフトにも最適です。

2.【菓創くまもと銀彩庵】高貴な色を身にまとった芋スイーツ「紫音サンドクッキー」

九州産のむらさき芋の「アヤムラサキ」を使った創作菓子をつくっている「菓創くまもと銀彩庵」。アヤムラサキには青紫色のポリフェノール成分、アントシアニンが多く含まれていて、加熱しても濃い紫色が残るのが特徴です。また、サツマイモとしては低糖質なため、ヘルシーな食材としても注目されています。
「紫音サンドクッキー」は、アヤムラサキと熊本県産の唐芋を使用したサクサクのクッキーで小豆と唐芋風味のホイップチョコをサンドしました。
色鮮やかなホイップチョコにはコーンフレークと小豆が練り込まれていて、満足感のある食感を生み出しています。

3.【柴舟小出】目も舌も喜ぶ、上品な創作菓子「新菓苑」

大正6(1917)年創業の老舗和菓子店「柴舟小出(しばふねこいで)」は歴史ある金沢の地で、創作和菓子に取り組んできた銘店です。その中から生まれてきたのが、地元の名勝兼六園にちなんだ創作菓子「新菓苑」です。
園内を流れる曲水に掛かる、亀甲の形をした雁行橋をかたどった「曲水」。唐傘山に雪が降り積った、冬の兼六園の風情をあらわした「傘の雪」。そして、雪見橋、虹橋に使われている戸室石の美しさを秘めた「戸室」。小豆やスライスアーモンド、寒天やメレンゲなどが使われた、異なる三つの味が詰め合わせになっています。目も舌も喜ぶ、上品な造形は贈り物にも向いています。

4.【とも栄菓舗】幾何学的な多面体に閉じ込められた新感覚琥珀糖「MIO」

滋賀で三代続く老舗菓子店「とも栄菓舗」がはじめたニューブランド、「NANASAN」では、若い夫婦の職人が新たな商品開発に勤しんでいます。「革新:7、伝統:3」の理念から名付けられたブランド「NANASAN」が生み出したボイセンベリーの琥珀糖が「MIO」です。ボイセンベリーとは木イチゴの一種で、ここ滋賀の西岸、安曇川(あどがわ)流域の三角州で栽培される特産品として定着させようと、地元農家が「アドベリー」と名付けたものです。このアドベリーの果汁とゼリーを使って、琥珀糖に新しい食感をプラスしたのが「MIO」です。伝統的な琥珀糖同様、外はシャリっと、中はとろっとしていて、さらにもちっとしたゼリーの食感がプラスされています。幾何学的な多面体に閉じ込められた甘酸っぱい味わいとラズベリーに似た芳醇な香りが印象的な創作和菓子です。

文:oriori編集部