もっちり丸いカステラ風の生地に挟まれたずっしりあんこの存在感。その形状からどら焼きと名付けられた和スイーツ。一説では東京が発祥ともいわれるどら焼きの銘品9選を紹介します。
- 1.【麻布野菜菓子】素材の風味を生かした「野菜餡のどら焼き」
- 2.【白樺】甲乙つけ難いおいしさ。「錦どら」の白と黒。
- 3.【黒船】半月状の形が特徴的。自由が丘本店限定のどら焼き「珠貴」
- 4.【嘉祥庵】老舗どら焼き専門店のこだわりが詰まった「嘉祥どら焼き」
- 5.【七里香】沈丁花(ジンチョウゲ)の花紋が目印のどら焼き
- 6.【日本橋 日月堂】オリジナルどら焼きとオトナが喜ぶ「黒生どら焼き」
- 7.【大國屋 多摩川矢口店】でっかい栗が丸ごと入った「大栗どら焼き」
- 8.【亀屋万年堂】甘く香ばしい香りが鼻孔をくすぐる「黒糖虎焼」
- 9.【い志い】生まれも育ちも葛飾柴又。名物の「寅゛焼き」シリーズ
1.【麻布野菜菓子】素材の風味を生かした「野菜餡のどら焼き」
野菜餡のどら焼き 紫芋 297円(税込)
麻布十番駅から徒歩3分ほどの場所に、「麻布野菜菓子」はあります。創業は2012年、南麻布のわずか3坪のガレージからスタートしました。野菜を和テイストのお菓子にというコンセプトで“おいしさファースト”なお菓子をつくっています。
紫芋やカボチャなどを使った「野菜餡のどら焼き」の最大のこだわりは、白あんをベースに、素材をふんだんに入れた野菜あん。さらに、隠し味に生クリームを加え、スイートポテトのようなリッチな味わいに仕立てています。なめらかな野菜あんに合わせるのは、卵の風味を活かしたスポンジのようにやわらかい生地。ふわふわ、口どけのよい生地と野菜あんのハーモニーが、どら焼きの新しいおいしさを感じさせてくれます。
2.【白樺】甲乙つけ難いおいしさ。「錦どら」の白と黒。
戦後間もない昭和25(1950)年、東京の下町・錦糸町で創業された「御菓子司 白樺」。
錦糸町名物の「錦どら」は白と黒の2種類があります。白は「三同割」で焼いたしっとり、あっさりのプレーンな生地。黒は沖縄の黒糖が入ったふわふわ生地になっています。どちらにも北海道産の大粒小豆のやわらかな粒あんががたっぷりと挟まれ、絶妙な食感に仕上がっています。思わずにんまりしちゃうおいしさです。
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3.【黒船】半月状の形が特徴的。自由が丘本店限定のどら焼き「珠貴」
珠貴(たまき) 324円(税込)
東急東横線・大井町線の自由が丘駅中央口から歩いて5分。
緑豊かな森に囲まれた自由が丘のパワースポット、熊野神社のすぐ近くに「黒船」はあります。
「黒船」の看板商品といえばカステラですが、カステラと共に人気なのが「どらやき」です。黒糖ともち米粉を使用した皮は、優しい甘さと深いコク、”もちもちっ”とした食感が他にはないおいしさ。1枚の皮であんを包んだ、かわいい半月状の形も特徴的です。
自由が丘本店限定の「珠貴」は白あんに丹波産黒豆が添えられています。白いんげん豆を丁寧にこして作られた白あんは、まるでクリームのように滑らかな舌触り。大粒の黒豆はやわらかさの中に、ほどよい歯触りが残る、豊かな風味が楽しめる逸品です。
4.【嘉祥庵】老舗どら焼き専門店のこだわりが詰まった「嘉祥どら焼き」
嘉祥どら焼き 200円(税込)
さまざまな本屋が並ぶ、世界一の古書店街・神田神保町。靖国通りと千代田通りが重なる場所にどら焼き専門店「嘉祥庵」があります。
「嘉祥庵」のどら焼きがそのおいしさの定義として求めたのは大きく2つ。
「適度にしっとり感があるので、お茶なしで1つを完食できること」。そして「食べるのに夢中で、気が付いたら食べ終わっている」こと。そのために、あんの甘さとどら焼きの皮に、とことんこだわっているそうです。一番人気の「嘉祥どら焼き」は、食べるとまず感じるのが皮のしっとりとした食感にほのかな甘味。次に、あんのちょうどよい甘さが口の中に……。
「嘉祥庵」には、どら焼きの皮のみの「皮だけ」という商品も。これは少なからずいるいわゆる「皮派」の人たちのリクエストに応えたもの。どら焼きの皮自体に自信があるからこそ、あえて商品として販売しているそうです。
5.【七里香】沈丁花(ジンチョウゲ)の花紋が目印のどら焼き
どら焼き オリジナル 216円(税込)
東京メトロ 早稲田駅から徒歩5分ほどのところにある「七里香(nanarica)」。
モダンでスタイリッシュでありながら“温かみ”のある店内の木箱には、大福やどら焼きなどの定番商品から独創的な和菓子までが並んでいます。
あんはすべて手づくりにこだわり、お菓子によってあんも使い分けています。粉や豆、小豆も厳選されたものを使い、1つ1つ丁寧につくっています。
中でも、小麦と小豆にこだわったどら焼きがこちらのオリジナル。
デパートの催事でも大人気のどら焼きは、3種類の小麦粉を配合、北海道産の小豆を銅釜で炊き上げた自家製の粒あんが入っています。
その他、あんとオレンジピールを組み合わせた斬新などら焼きや、秋にはラムレーズンのどら焼きも販売されるとのことです。
6.【日本橋 日月堂】オリジナルどら焼きとオトナが喜ぶ「黒生どら焼き」
黒生どら焼き 280円(税別)
「日本橋 日月堂」は、創業明治10(1875)年。八代目が守る紺のれんには、餅をつくウサギと羽を広げるカラスが描かれています。
日月堂のどら焼きの皮は、国産小麦粉100%と卵を独自の配合でミックスしたもので創業以来変わらぬおいしさが人気です。そしてその“オリジナル”どら焼きにはオーダーで焼印が押されていて、文字はもちろんマークも入れられるそうです。少ない個数から注文できるので会社のご挨拶用や贈答用にもオススメ。ぜひ、オーダーしてみてください。
また気になるのが黒生どら焼き。こちらは、コーヒーを混ぜたどら焼きの皮に、生クリームと小倉あんが包まれています。皮はしっかりと苦味の効いた味ですが、生クリームと合わせるとまた絶妙な美味しさ。こちらは男性にも人気が高いそうですよ。
7.【大國屋 多摩川矢口店】でっかい栗が丸ごと入った「大栗どら焼き」
大栗どら焼き 270円(税込)
東京都大田区池上。昔ながらの和菓子屋さんも多く、池上本門寺近くにあるのが栗大福で有名な「大國屋」です。
創業はなんと昭和13(1938)年。大福の評判はもちろんですが、その他にも大田区のお土産100選にも選ばれているお菓子があって、その一つが「大栗どら焼き」なのです。
大栗どら焼きは大福と同様、あんの中に大きな栗が入っています。どら焼きの皮はしっとりとしてふっくら。お土産に喜ばれるのもうなずけます。
それ以外にも常時7種類のどら焼きがあるので、詰め合わせで買い求めるのもオススメ。中でも女性に人気があるのが、胡桃キャラメルどら焼き。ほろ苦さも感じるキャラメルに、香ばしい胡桃がぎっしり詰まっています。
8.【亀屋万年堂】甘く香ばしい香りが鼻孔をくすぐる「黒糖虎焼」
黒糖虎焼 216円(税込)
1938年、東京・自由が丘で間口わずか2間の小さなお店から始まった「亀屋万年堂」。自由が丘駅から徒歩4分。ビルの屋上と正面には遠くからでもよく目立つ看板があり、歴史と風格が感じられます。
「亀屋万年堂」を代表する銘菓「ナボナ」は、創業者の引地末治氏がイタリアに出かけた際に「洋風どら焼き」の発想を思いつき、イタリア・ナボーナ広場から名前を取ったお菓子だそう。そういえば形はどら焼きにそっくりです。
そして亀屋万年堂オススメのどら焼きが「黒糖虎焼」。これは、その名の通り黒糖を使用したどら焼き。封を開けると黒糖の甘く香ばしい香りが鼻孔をくすぐります。ふっくら“つやつや”の粒あんは厳選された北海道の大粒小豆を、水分調整をしながら丁寧に炊き上げています。そのため、小豆の粒は舌の上でほろりとつぶれます。
夏場は冷たい日本茶といただくのも良いですが、常連さんの中には冷蔵庫で「黒糖虎焼」を冷やしていただく人もいるとか。
9.【い志い】生まれも育ちも葛飾柴又。名物の「寅゛焼き」シリーズ
フーテン寅゛焼き 190円(税込み)
文久2(1862)年、葛飾柴又に「以志ゐ呉服店」として創業したこちらのお店。
「い志い」が店を構えるのは、駅前から柴又帝釈天までの帝釈天参道。何軒もの和菓子屋が軒を連ねる食べ歩きの激戦区です。 築約200年の建物は、この通りで最古の木造店舗。
看板メニューが柴又名物の「寅゛焼き」シリーズ。生地はやさしい甘さで、どこかカステラのような洋菓子感もあります。焼きたてはあんこの水分が多く、ジューシー。あんこのつぶ感も際立っています。時間が経ったお持ち帰り用は、生地とあんこがより一体化してとてもしっとり。
純生クリームと大納言小豆がマイルドな「酪どら」。「酪どら」に天然塩の甘じょっぱさをプラスした「塩どら」。他にも秋の栗を挟み込んだ「栗どら」などバリエーションが豊富。クリームを使用したどら焼きからは、洋風のテイストもうかがえます。
文:oriori編集部